ハードディスク(HDD)を採用したパソコンとSSDを搭載したパソコンで、ほかの仕様が全く同じ構成だとしたら、どちらの方がバッテリー駆動時間は長いのだろうか。一般に、SSDの方が消費電力が低いといわれるが、ノートパソコン全体にまで影響を及ぼすものなのか。

 そういう構成を選べるパソコンでバッテリー駆動時間の仕様を比較してみた(図1)。パナソニックの「Let's note SX3プレミアムエディション」である。この製品には、ストレージがSSDのモデルと、内部にフラッシュメモリーを搭載するハイブリッドHDDのモデルがある。

●ストレージの種類が異なるモデルのバッテリー駆動時間
Let's note SX3プレミアムエディション(パナソニック)

図1 パナソニックの「Let's note SX3」の場合、ストレージの種類のみが異なるモデルを用意する。SSDモデルに比べ、ハイブリッドHDDモデルは駆動時間が短い。SSDの容量による違いはない
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 駆動時間の仕様を比べると、SSDの方がハードディスクに比べ、やはり長時間を実現している。JEITA 2.0測定法で、SSDは約9時間(バッテリーパックS)と約18時間(バッテリーパックL)。ハイブリッドHDDは約8時間(バッテリーパックS)と約16時間(バッテリーパックL)だ。

 ハイブリッドHDDはハードディスクと同じく物理的に磁気ディスクを回転する。一方、SSDは電気的に信号をやり取りするだけで済む。両者を比べた場合、ハイブリッドHDDの方が消費電力は多いということだ。

 なお、SSDの場合、容量がたとえ2倍に増えても駆動時間は変わらない。フラッシュメモリーに供給する電力は少なく、256GBから512GBに増えたくらいでは駆動時間にまでは影響を及ぼさないということだろう。