パソコンのカタログや、メーカーのWebサイトなどでノートパソコンの仕様を見ると、2種類のバッテリー駆動時間が書いてある(図1)。どう判断すればよいのだろうか。

●カタログにある駆動時間は2種類
図1 パソコンのカタログに掲載されているバッテリー駆動時間は2種類ある※。「JEITAバッテリ駆動時間測定法(Ver.1.0)」と「同(Ver.2.0)」の数値だ。2.0の方が駆動時間は短く、場合によっては1.0の数値の半分程度のこともある
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※メーカーによっては、JEITA測定法ではなく、ベンチマークプログラム「MobileMark」等の数値を示す場合もある

 これらの駆動時間の違いは、測定法の違いによるものだ。時間の長い方は2001年8月に施行された「JEITAバッテリ駆動時間測定法(Ver.1.0)」、短い方は2014年4月に施行となった「同(Ver.2.0)」で測定したものになる(図2)。

●JEITA測定法1.0と2.0の違い
図2 JEITA測定法は、1.0も2.0も動画再生時の駆動時間と、何もせず放置した時間の合計を2で割るというものだ。ただ、JEITA測定法1.0は2001年8月に施行されたもので、今のパソコンでは軽い処理となる。例えば再生する動画は解像度が320×240ピクセルのMPEG-1だし、輝度は動画再生時が20カンデラ/m²、放置時が最低輝度となる。一方、2.0は2014年4月に施行された。1920×1080ピクセルのH.264/AVC動画を輝度150カンデラ/m²で再生する。放置時の輝度も同じだ。また、無線LANも接続した状態での計測となる
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 いずれの測定法も、(1)パソコンが備えるバッテリーで動画再生が可能な時間と、(2)何もせず放置してバッテリーがなくなるまでの時間を計測。(1)と(2)を足して2で割ることで駆動時間を導き出す。測定条件(負荷)が異なるために、2.0の方が短い時間となっている。

 最初に施行した1.0の動作条件は、液晶の輝度が低く、再生する動画もMPEG-1で解像度が320×240ピクセルと、今となっては低負荷の処理となる。そこで、今のパソコンでも適切な負荷となるような条件に変更したのが2.0だ。輝度150カンデラ/m²の状態、H.264/AVCコーデックで1920×1080ピクセルの動画をフルスクリーン表示、しかもWi-Fiを接続した状態、となっている。

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