生産性向上のためにオフィスを作り替える企業が増えている。トレンドの一つは「新しいフリーアドレス」。自由な場所に座れるだけだった従来とは異なり、打ち合わせや集中作業、テレビ会議など作業内容に応じた様々なスペースを設けている。モバイル機器やコミュニケーションツールの進化が、そうした働き方を支えている。

コニカミノルタ:事業転換を社員が実感

 コニカミノルタは、300人強が働く本社オフィスにフリーアドレスを導入、見直しや改善を続けている(図3)。狙いは、事業の転換を加速することにある。同社の主力である複合機は市場が成熟しており、機器単体をさらに売るには限界がある。収益向上のためには、機器とサービスを組み合わせて売る事業形態への転換が急務だった。「まず我々自身が知的創造性や生産性を高める働き方を実践する必要があると考えた」(コニカミノルタの持田啓介経営戦略部長)。

図3 コニカミノルタの本社オフィス(左)と「Lync」の画面(右)
働き方で座席を選びツールで居場所を通知(写真:新関 雅士)
図3 コニカミノルタの本社オフィス(左)と「Lync」の画面(右)
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 実は同社は以前も、一部でフリーアドレスを導入していた。しかし、部署ごとにデスクを固めて島を作る一般的な形のまま。電話は固定のIPフォンで、無線LANの設置は会議室が中心。会社支給のPCも大型ノートだった。部署間の交流は進まず、「毎日場所を変える社員は十数%しかいなかった」(持田氏)。

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