2014年はOSS(オープンソースソフトウエア)にとって、良い意味でも悪い意味でも忘れられない年となった。アンチOSS派の筆頭であった米マイクロソフトがついに、「.NET」をOSS化。OSSの優位性は揺るぎないものになった。しかしその一方で、「Struts」や「OpenSSL」といったOSSに深刻な脆弱性が見つかり、社会問題にまで発展した。
OSSを使うことが“必須”となった今こそ、ユーザー企業は「OSSのリスク」を直視する必要がある。最も警戒すべきなのは、「OSSただ乗り」が生んだ怪物。寿命が尽きたのに動き続ける「ゾンビOSS」の存在だ。
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ゾンビOSSが危ない---目次
StrutsとOpenSSLの教訓
目次
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ゾンビ化を避ける心得
ユーザー企業が安心してOSSを使い続ける上では何が重要か。「ゾンビOSSになりそうなソフトを選ばない」ことだけが対策ではない。ゾンビOSSを生み出さないことが、ユーザー企業やベンダーに求められている。そのための心得を、四つ紹介しよう。
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OSSがゾンビ化する事情
OSSはなぜ生まれ、誰が保守しているのか。その事情はソフトごとに異なる。そしてOSSがゾンビ化するリスクは、開発事情に大きく依存している。本パートでは開発事情によってOSSを大きく五つに分類。それぞれについて、ゾンビ化のリスクを分析する。
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OSSにも寿命がある
既に死んでいるにもかかわらず町中を徘徊(はいかい)し、人間に危害を加えようとする怪物「ゾンビ」―。2014年。ソフトウエアとしての寿命が尽きた「ゾンビOSS」が世界中の情報システムを危機に陥れた。