リードナーチャリング実践にあたって、当初チャレンジする事に最も難易度が高い事の一つにリードスコアリングが挙げられます。リードスコアリングは、リード(見込み客)の購買意欲を評価(スコア化)することで、数千件・数万件あるリードの中からスコアが高い=購買意欲が高いと思われるリードを抽出することができるようにし、その後のアクションを取りやすい状況にすることです。本記事では、運用が難しいとされるリードスコアリングにおいて、その難易度が高い背景を理解し、実際に設定する場合の参考例をお伝えします。

リードスコアリングはなぜ難しい?

 まず、リードスコアリングはリードナーチャリングを実践したことが無いマーケッターの方々には当初、相当ハードルが高い施策になります。その理由は以下2点です。

1:何にスコア(何点)つけたらいいかわからない

 リードスコアリングを実践するには、リードが持つ様々な情報や行動に対して、ある基準を元に点数を付与していく必要があります。この「ある基準」を自社で作らなければいけないのがハードルが高いポイントの一つになります。基本的に、スコアリングは有望な見込み客を抽出するために行う施策ですが、「有望な見込み客とは?」という定義をすぐに回答できるBtoBのマーケターはそれほどいないのではないでしょうか。有望な見込み客を回帰的に定義しようとすると、今まで受注実績がある見込み客や案件・商談になっている見込み客のWebサイト上での行動を振り返ったり、分析する必要が出てきます。ここまですれば、「セミナーに参加している人の受注が高いな」とか「案件になっている商談のキーマンは過去に1度検索エンジンから流入しているな」等徐々に有望見込み客の片鱗が見えてくるかもしれません。

2:リードの情報が足りない・情報が統一されない

 リードスコアリングは以下の3つの情報を元にスコアを算出します。

1:外面的情報:見込み客の所属する企業の規模や業種、見込み客の部署や役職など
2:内面的情報:見込み客の検討フェーズや課題、嗜好や現在導入しているサービスへの不満など
3:行動情報:見込み客がセミナーに参加した、サイトを閲覧した、資料をダウンロードしたなど

 3つの情報のうち、1・2の情報はリードに対して、情報を付与していかなければなりません。例えば、食品製造業向けの生産管理システムを提供している企業において、「食品流通業かそうでないか」ということは最も重要なスコアを算出する上での基準の一つになります。ただ、多くのお客様のリード情報には業種データが紐付いていないことがほとんどです。また、見込み客とコミュニケーションをしたとして、検討フェーズや嗜好など、上記における「2」の情報についてもリードに対して、統一した基準で情報を付与していかなければ、スコアが付けられません。見込み客のAの「興味あり」というフェーズと見込み客Bの「検討までは至らず」というフェーズを統一した基準で評価する必要があります。上記のとおり、BtoBマーケターがマーケティングの最初のステップでリードスコアリングまでを運用に載せていくのは非常に難しいことです。ただ、リードナーチャリングにおいて、有望見込み客を抽出し営業にエスカレーションするというプロセスは必ず必要なプロセスですので、簡単にできるスコアリングの設定例を幾つかあげます。

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