日本でも、この1年ほどで「マーケティングオートメーション」という言葉をよく耳にするようになりました。実際Googleトレンドで「マーケティングオートメーション」という言葉の検索数を調べてみると2014年の3月頃から増加し、約1年で3倍にまで増えているのがわかります。

 ちなみに「marketing automation」の検索数を見てみると、2006年くらいから検索が始まり、2013年くらいから検索数が徐々に増加しているのがわかります。このことから、海外では2006年くらいからある考え方やツールで、それがここ2年くらいで海外でもメジャーなマーケティング手法となり、そして日本に急激に浸透し始めたということが手にとってわかります。

 実際に、ツールの検討し始めたり情報収集を始めた企業様も多いのではないでしょうか。今回は、このマーケティングオートメーションが本当に日本のBtoB企業にとって今、必要なのか考えてみたいと思います。

そもそもマーケティングオートメーションとは

 そもそもマーケティングオートメーションとは何なのでしょうか。Googleで検索した情報を要約すると以下が主旨となりそうです。

 デジタルマーケティングで成果を上げていくために、顧客一人一人に対して、「最適なコンテンツ」を「最適なタイミング」で「最適なチャネル」で提供するオペレーション部分をシステム化・自動化すること

 これが実現できれば企業の営業活動やマーケティング活動は大いに効率化されそうです。しかし、なぜ「今」なのでしょうか。その背景を簡単に解説しましょう。

今マーケティングオートメーションが求められる背景

 インターネットが普及する前は、BtoBにおいて顧客が何かを購買する際には「営業パーソン」がこの役割の大部分を担っていました。営業パーソンが定期的にお客様先にカタログや資料を持って訪問し、検討タイミングになったら営業パーソンに電話がかかってきて、「見積もりください」となるわけです。最適なコンテンツやタイミングは営業パーソンが知っていて、最適なチャネルは営業パーソン自身だったのです。

 これがインターネット・検索エンジン・Webコンテンツの普及と充実によって大きく変わります。

 顧客は営業パーソンが来なくても商品やサービスの検討時には、Webからカタログをダウンロードできるようになり、競合の製品と比較し、見積もりが取得できるようになりました。こうなると、顧客は自分の検討状況を敢えて製品提供側の「営業パーソン」に開示する事はしなくなりますから、製品提供側からすると、「知らない間に競合から製品が購買されていた!」という状況が発生してしまいます。

 このような事態を避けるために、昔営業パーソンがやっていたことと同じようなことをインターネット上で簡単にできるようにしよう、というのがインバウンドマーケティングの考えであり、それを実現しやすくするツールが「マーケティングオートメーション」だと考えています。

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