コニカミノルタは2015年10月、アジア太平洋地域における複合機などの情報機器事業で、業務に必要な製品や部品などの品目マスターや得意先マスターを管理するためのマスターデータ管理(MDM)基盤を本稼働させた。現在は中国やシンガポールなど6カ国が対象だが、今年夏までにはタイが加わり7カ国になる予定だ。

 ここで得たノウハウを生かして他地域での展開も進める(図1)。2016年2月からは欧州拠点でのMDM基盤の構築を開始。2017年3月までには米国や日本でもMDM基盤を構築する計画で、それらを束ねるグローバルMDM基盤の構築も視野に入れた大プロジェクトだ。プロジェクト自体は3~4年前から開始しており、MDM基盤に先行して構築したアジア太平洋地域での標準ERP(統合基幹業務システム)など、関連する費用を合わせると20億円超の投資額になる。

図1 コニカミノルタのグローバルMDMシステム展開方針
アジア太平洋地域のMDM基盤構築ノウハウを他地域へ展開
図1 コニカミノルタのグローバルMDMシステム展開方針
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 費用と手間をかけてもプロジェクト推進に取り組むのは、データを核とした経営を進める上で欠かせない施策と考えるからだ。コニカミノルタ執行役I T 業務改革部長の田井昭氏自身、「MDM基盤の構築は地味な作業。お金も工数もかかる」と話す。それでも「データを核とした経営をする上で、データ品質は重要」(田井氏)とする。今後、ビッグデータやIoT(Internet ofThings)に取り組もうとすれば、抱えるデータ量はさらに増える。「使えないデータが増えたら混乱するだけ」(田井氏)との危機意識が、MDM基盤構築の断行につながった。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。