北陸新幹線の延伸開業に合わせ、車両検査システムを改修した西日本旅客鉄道。約10億円の費用をかけた、JR東日本のシステムと連携する困難な作業だ。だが、大きなトラブルもなく、作業は計画通り2014年11月末に完了した。それを可能にしたのは、システム開発時に築いた強固な体制だった。

[画像のクリックで拡大表示]

 西日本旅客鉄道(JR西日本)は2015年3月14日の北陸新幹線の延伸開業に合わせ、車両のメンテナンス業務を支える車両情報システム(Ris-e)を改修した。改修にかかった費用は約10億円だったという。

 改修作業は困難になることが予想された。メンテナンス対象の車両が増えるだけではなく、北陸新幹線のメンテナンス作業を担う白山総合車両所(石川県白山市)をRis-eに接続する必要があったためだ。

 さらに、JR西日本 IT本部 IT計画(車両系)の杉本知仁氏によると、北陸新幹線は東日本旅客鉄道(JR東日本)と区間がまたがるため、「JR東日本のシステムと連携して、『東日本側で何キロ走った』といった基礎的なデータをやり取りする必要があった」。

 だが、2013年1月に開始した改修作業は、計画通り2014年11月末に完了した。これはRis-e開発時の経験があったからこそだ。車両部門とIT部門が密に連携し、現場のユーザーも一緒になって、業務に必要な要求をシステム開発、運用に反映できる体制を確立していたからこそ、計画通りの改修が可能になった。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。