MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADホールディングス)は、「3メガ損保」と呼ばれる国内3大損害保険グループの一角を占める。同社は2014年2月にグループの共同利用システム「ユニティ」を全面稼働した。

 ユニティは、同社傘下の三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険を含め、グループ全体で利用する業務システムだ。開発総工数は約6万1000人月、ピーク時には約3000人の技術者が関わった。総プログラム数は新規で約3万2000本、改修で約1万6000本に及ぶ。

 ユニティの開発には約3年と数百億円を投じた。MS&ADグループのシステム関連会社であるMS&ADシステムズの山内憲二代表取締役社長は、「合併を伴わないシステム統合は国内外でもほとんどない」と述べる。

 開発のきっかけは2010年4月の経営統合だ。三井住友海上グループ、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険の3社が経営統合し、MS&ADホールディングスが誕生した。2010年10月にはあいおいとニッセイ同和が合併してあいおいニッセイ同和となり、三井住友海上と併存する形となった(図1)。

図1●MS&ADホールディングスのグループ体制
図1●MS&ADホールディングスのグループ体制
併存する事業会社のシステムを統合
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 この2社は、損害保険会社として類似した業務に携わる。業務システムを1つにまとめたほうが、開発費や保守・運用費を削減できる。これがユニティ開発の狙いだった。


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