標準の監視サービスだけでは不十分
MuninやZabbixと組み合わせる
運用性については、異なる二つのポイントに注目して紹介する。
一つはAWS上の仮想マシンの監視。標準サービスの利用だけでなく、ほかの監視ツールを組み合わせる必要がある。中古車流通のビィ・フォアードの事例を通じて、組み合わせのノウハウを説明する。
もう一つはAWSのサービスを活用して、クラスター構成のサーバーの運用を楽にすること。AWSはクラスターの構築・運用に自動化技術を取り込み、「フルマネージドサービス」として提供している。これを有効活用すると、クラスターの運用負荷を下げられる。こちらはサイバーエージェントの例を紹介する。
ビィ・フォアード OSS監視ツールで“OSの上”を監視
AWSは標準の監視サービスとして「CloudWatch」を提供している。一見すると監視はこれだけで済みそうだが、そうはいかない。まずCloudWatchで監視できる項目が限られる。監視対象は、仮想マシンの稼働、CPU、メモリー利用率、ディスクI/O、ネットワークI/Oなど。OS上で動作するミドルウエアやアプリケーションは対象外である。加えて、ログを2週間しか保存できない。
この“想定外”への対処法は、ほかの監視ツールを組み合わせることだ。ビィ・フォアードの木村光弘氏(顧問)は、CloudWatchとOSSの監視ツール「Munin」を組み合わせて、AWS上に構築したECサイトや業務システムを監視する仕組みを構築した(図9)。