オムニチャネル・マーケティングでそれぞれの顧客タッチポイントで顧客経験価値を最大化するために、「アナリティクス」はどのように活用されるのでしょう。今回はその手法について、先進事例と合わせて紹介します。
図1は、米国の小売業者がショールーミング対策として、店舗で価格比較サイトをサーチした顧客に対して、リアルタイム・オファーとしてスマホアプリへクーポンを発行している事例です。
- 顧客が店舗に来店し、テレビ売り場で商品をチェック。興味のあるモデルを発見!
- スマートフォンを使って価格比較サイトで他店と比較検討
- 店舗では、Wi-Fiのクリックストリームをモニタリングしており、価格比較サイトを利用しているユーザーを検知
- 過去の購買履歴やWebサイトの閲覧履歴などの顧客情報が蓄積されているDWH(データウエアハウス)を参照
- 過去の購買履歴から事前に生成した顧客セグメントに基づき、顧客の優良度を判定しディスカウントオファーの提示についてリアルタイムで判断
オファー提示対象顧客には、当該顧客向けのレコメンド結果を参照し、以下を決定
・関心のありそうな組み合わせ商品を判定
・テレビ+Xboxのプロモーションを決定
・アプリに割引クーポンプッシュ配信 - 顧客がテレビ+Xboxのクーポン受信!!
この事例のポイントは、実店舗で顧客が「ショールーミング」をしているその瞬間を捉え、「どの商品」に関心を持っているかを把握した上で、ニーズに即したリアルタイム・オファーを実行している点です。ここがアナリティクスに相当します。