IT現場はいま、大きな転機にある。これまでのシステム開発・運用の進め方は限界に来た。すべてのITエンジニアは、利用部門も巻き込み、組織の壁を超えて協力し合おう。ビジネス効果が高いシステムを提供し続ける開発・運用の理想的な姿、それが「DevOps」である。
DevOps―プロセス・組織編―
目次
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PART 9 利用部門とITチーム間のDevOps事例
審査ルール、窓口担当、事後調査 システム稼働後も連携を密に取る
システム稼働後の保守フェーズでも利用部門とITチームの関係を形成しよう。審査ルールによる納得感の高い要望絞り込み、窓口担当の設置、事後調査の実施といった取り組みを紹介する。
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PART8 既存システム改善の要望にどう応えるか
重要なのは要望の「分析」、目的を確認し要件決める
既存システムの改善がビジネスの効果に結びつかないことがしばしば起こる。その大きな原因の一つは、要望をそのままシステムに反映することにある。重要なのは要望の分析。既存システム改善に特化した要件定義の手順を解説する。
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PART 7 開発と運用の協業体制を築く四つの実践法
会議とツールで接点作り 開発時に運用を考慮
開発と運用が協業体制を築くためには、どのような施策が有効か。DevOps現場への取材を総合すると、四つの実践法が明らかになった。各現場の事例に基づいて、それらを紹介する。
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PART 6 ネット企業のDevOps事例
運用負荷の軽減を優先 他のチームが協力する マネーパートナーズソリューションズ
電子商取引やネット金融サービス、オンラインゲームなどネット企業のシステム構築現場では、DevOpsの実践が当たり前のこととなりつつある。狙いは、開発と運用を一体とすることによる効率化や無駄の削減である。
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PART 5 アウトソーシングでのDevOps事例
企業間の壁を壊した現場の主体性 千趣会/日本IBM
通販大手の千趣会は、2006年から情報システムの運用・保守業務を日本IBMにアウトソーシングしている。開発は日本IBMを中心としたマルチベンダーで進める。こうした体制でDevOpsを実践しようとしたところ、大きく二つの壁に直面した。
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PART 4 ITベンダーのDevOps事例
双方にメリットあればやり方変えて関係改善 インターネットイニシアティブ(IIJ)
「かつて、開発チームと運用チームの関係はよくなかった」。インターネットイニシアティブ(IIJ)の田口景介氏(プロダクト本部 プロダクト開発部 アプリケーションサービス課長)はこう打ち明ける。
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PART 3 大手企業のDevOps事例
開発と運用部門を統合 現場の意識改革を促す 積水化学工業/NTTデータセキスイシステムズ
開発側(Dev)と運用側(Ops)に横たわる“壁”を崩してDevOpsを実現するにはどうすればいいか。規模の大きな企業の場合、一般的な縦割りの組織体制の下でこの壁を崩すのは容易ではない。DevOpsに積極的に取り組んでいるのが積水化学工業である。
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PART2 図解 DevOpsの全貌
組織体制、プロセス、ツールが3者一丸の保守開発を生み出す
開発、運用、利用部門の3者が一丸となって、システムを継続的に改善。ビジネス上の効果を生み出し続ける―。これが本特集におけるDevOpsの定義である。
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PART1 DevOpsが解決する現場の問題
稼働後の開発に主戦場移る 時代に合ったプロセス構築が急務
システムを使い続ける間にビジネス環境は目まぐるしく変わる。この状況に対応するには、主戦場を稼働後に移して改革すべきだ。開発担当、運用担当、利用部門の3者が一丸となる新たなプロセスを確立しよう。