明治
大きめサイズは売れないはウソ “事情通”の言質を取る
数カ月に1 度のペースで新商品開発を繰り返しているものの、ヒット商品に育たない─。こんな状況が続いていた明治のミルクコーヒー商品で、数年ぶりのヒットが出た。“ミルク好きのミルクコーヒー”と銘打ったチルド飲料商品「明治 白のひととき」だ。
2014年9月に発売したこの商品は発売直後、関東エリアにおけるミルクコーヒー商品の売り上げで第2 位にランクイン。トップを占める森永乳業の「マウントレーニア」2 製品の間を割っての、数年ぶりの上位進出だった。
その後の売り上げも順調で、2014年に計画した売上高の1.8倍の実績を得ている。
白のひとときの容量は約400mlと大きめ。「ミルクコーヒーが売れるサイズはマウントレーニアのような250ml程度。500mlの紙パックを見て分かるように、それ以上は売れない」という、飲料メーカーの定説を覆してのヒット商品となった。
この定説の打破にデータ分析があった。そのきっかけは、白のひとときの企画開発を担当した市乳営業本部市乳商品開発部新機軸商品開発グループの原智一氏が、容器に飲料を充てんする企業の担当者と交わした会話。原氏はマウントレーニアの好調を踏まえ「チルド飲料では250ml程度のカップ容器に引き合いが多いのでは」と尋ねた。