前回まで6回にわたって、インサイドセールスとは?というところから、導入前の検討事項や運用管理のポイントまで説明しましたが、今回からは、事例に基づきながらインサイドセールスの具体例を説明します。今回はインサイドセールスの導入初期に起こりやすい課題について説明していきます。
コール数の伸び悩みに最適な処方箋を考える
インサイドセールスに限らず、テレマーケティングや電話によるアウトバウンド活動において、コール数は行動指標として重要なものです。特に導入初期の段階では行動指標が管理の中心になることが多いです。
具体的なケースとして、およそ10年前に私が携わった、とある会社のインサイドセールスによるアウトバウンドセンターの立ち上げ事例をベースに説明しましょう。まず、アウトバウンドセンターの概略を以下に示します。
このセンターによる活動開始までに、半年間の準備タスクと並行して外部ベンダーによるパイロットプロジェクトを進めました。上記の行動指標目標はこれに基づいて設定しました。
センターの活動が始まって、1カ月が経過してもコール数はなかなか伸びませんでした。日次の行動目標であるコール数35件を平均的に達成している担当者は20%ほどで、残りの80%は日次で約25件/日にとどまっていました。有効数が目標に近ければまだよいのですが、残念ながら有効数も12件/日に届くインサイドセールスは20%ほど。80%は約8件/日という状況でした。
コール活動のリズムを定着させる
活動開始後2週間ほどは、いろいろな面で慣れが必要となるため立ち上がり期間と想定していましたが、1カ月を経過しても状況が変わらないのは問題です。そこで、インサイドセールスの作業時間を分析してみました。