今回実施したアンケート調査では、クラウド活用のメリットや課題も浮き彫りになった。メリットでは、「システムリソースの柔軟性・拡張性の向上」が目立つ(図A)。特に顧客やパートナーなど社外向けのシステムでは、需要予測が難しく、必要なリソースを事前に見積もりにくい。柔軟にリソースを増減できるクラウドの特徴が生かせる。
これに続くのが、「調達期間の短縮」「インフラの運用・保守の手間削減」の二つ。クラウドなら迅速にシステムを立ち上げられ、少ない負荷で運用することが可能だ。
システムリソースの柔軟性やシステム展開のスピード向上の重要性が高まっていることは、前回の調査と比較しても明らかだ。「パブリッククラウドを適用するシステムの条件」としてスピードを挙げた企業は大幅に増加(図B)。「その他」で寄せられた自由回答の中では、リソースの柔軟性への言及が最も多かった。
このほかで伸びが目立ったのは、「競争力強化につながる成長分野のシステム」であることや、「クラウドでなければ入手できない機能/サービス」の存在である。クラウドならではの利点を生かし、ビジネス拡大につながるシステムを迅速に構築したいという企業ニーズの高まりが感じ取れる。