本連載では、“IT担当者”が担うべき仕事を基礎的な内容から分かりやすく解説していきます。少人数でIT機器・サービス全般を見ていたり、情報システム部門と他部門を兼務していたり、ITインフラを構築あるいは運用するノウハウを十分お持ちでない方の参考として、また、「自分は運用に必要な知識は一通り持っている」という方の“仕事内容のおさらい”として使っていただければと思います。

 今回のテーマは、PCの資産管理です。セキュリティが関連する部分としない部分があるのですが、まとめて見ていきましょう。

資産管理が必要な3つの理由

 企業は、3つの観点から企業で利用するモバイル端末を含む全てのPCの資産管理を行うべきです。この3つとは、コンプライアンス(法令順守)、コストの最適化、そしてセキュリティです。

 まずコンプライアンスですが、これはソフトウエアのライセンスを正しく管理することだと考えればよいでしょう。従業員のPCで不正に入手したソフトウエアを稼働させていると、会社の問題となってしまいます。資産管理ツールでPCにインストールしたソフトウエアを把握し、正しいライセンスを持っているかをチェックするのです。これによって、ソフトウエア会社から監査を受けた際、きちんとライセンスを購入していることを証明できます。

 次に、コストの最適化です。こちらも、ライセンスに関連しています。ソフトウエアのライセンスにはさまざまな形態がありますが、その中にはPC(つまり端末)にひも付いているものがあります。この場合、あるPCの持ち主が退社して、そのPCを新たに入社した人が使う場合は、ライセンスを再度購入する必要がありません。資産管理によってライセンスの数や形態を確認し、正しく使い回すことで、ソフトウエアにかかるコストを最適化できます。

 3つめの観点であるセキュリティとは、セキュリティ面でリスクを抱えているソフトウエアを排除することです。従業員が脆弱性を抱えた古いバージョンのソフトウエアを使い続けていたり、勝手にウイルスが混入しているソフトウエアをインストールしたりするケースは十分にあり得ます。資産管理ツールを使えば管理対象のPCにインストールされたソフトウエアを一覧にすることができますので、危険な状態のソフトウエアを早期に見つけ、使用を中止するなどの対応をします。

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