2016年5月3日から5日まで米Tealium(ティーリアム)がサンディエゴで「Digital Velocity 2016 in San Diego」と呼ぶイベントを開催した。Tealiumは有償のタグマネジメントシステム(TMS)で大手企業導入実績で世界第1位のシェアを持つ。日本でも電通デジタルやDACが2016年からソリューションを提供している。

写真1●各タグマネジメントツールの伸び(ページビュー数)
写真1●各タグマネジメントツールの伸び(ページビュー数)
出展:Tealium
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 タグマネージメントシステムとは、Webサイトのアクセス解析や広告の効果測定のデータ収集をするための「トラッキングコード(タグ)」を管理する専門のソリューションである。様々なマーケティングソリューションが乱立する中、Tealiumは順調に業績を伸ばしてきた。

 タグを管理するだけの、一見すると地味なソリューションを提供する同社のイベントに、なぜ世界中のマーケターが集まるのか?その秘密を探ってきた。

ユーザーの生活全てがマーケティングポイントとなる時代

 5月4日の基調講演には、米IntelのDirector of IoT SolutionsのDarin Archer氏が登壇した。タイトルは「Moving "Digital" to the Physical Realm(デジタルはリアルな領域へ)」。Intelの立場から、デジタルマーケティングの変化を訴える内容だった(文字フォントが青色の部分は講演内容の書き起こし、以下同)。

 マスメディアがデジタル化したことで、費用対効果が測定できるようになった。さらにスマートフォンなどの拡散によってユーザーが、手元で広告やコンテンツを表示できる。Googleは将来、冷蔵庫や車のダッシュボード、温度計などあらゆるディスプレイに広告やコンテンツを出すと米国証券取引委員会(SEC)に伝えている。

 もうマスメディアとインターネットとを分ける時代は終わり、全ての広告がデジタルになる。生活全てのシーンはマーケティングに活用でき、広告効果の測定も可能な時代が来たということだ。

 今後はユーザーの店舗内行動履歴や商品の閲覧や購入結果も測定できるようになる。Intelをはじめとする半導体メーカーは、このようなデータを測定するチップやセンサーを安い金額で提供できる環境を整備している。

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