米Marketo(マルケト)は2017年4月23日から26日まで(米国時間)、米サンフランシスコで「The Marketing Nation Summit 2017」と呼ぶイベントを開催している。全世界からCMO(最高マーケティング責任者)500人を含む約6500人のマーケターを集めている。
同イベントの今年のテーマは「Leading in the Engagement Economy」。24日朝の基調講演で、同社CEO(最高経営責任者)のスティーブ・ルーカス氏は「エンゲージメントエコノミー」を提唱し、プロダクトの方向性を明らかにした。
企業がエンゲージメントエコノミーで成功するための三つのルール
基調講演でルーカス氏は、消費者・顧客との関係を単に「リレーション」とするのは不都合になってきたことを指摘した。その代わりになるのは「エンゲージメント」であるという。
エンゲージメントという言葉は英語でも様々に解釈できるが、ルーカス氏は「素晴らしい体験ができるように注意深くインターネット上の情報を集めまとめる(キュレーションする)ことがマーケターに求められることを意味する」と述べた。
さらに、ルーカス氏は「エンゲージメントエコノミー」というビジョンを示した。これは、パーソナライズした意味のある経験を消費者・顧客が望むやり方で提供し、ビジネスを成長させるものだ。
ルーカス氏は「83%のマーケターは消費者・顧客とエンゲージできていると考えているが、51%の消費者・顧客は満足していない。両者の気持ちの隔たりを埋めるには、機能やスピードではなく、人の心をつかむ価値のある体験である」とした。そして企業がエンゲージメントエコノミーで成功するための三つのルールについて説明した。
1. Listen(耳を傾ける)
最も大切なのは、未知・既知、デジタル・リアルを問わず、オーディエンスの声に耳を傾けることだ。企業は全てのチャネルからデータを集め、全てのオーディエンスとその行動を把握することに、時間と資金の両面で投資をする必要がある。
2. Learn:(学習する)
オーディエンスに耳を傾けて得た情報は、生涯価値の向上に転換しないといけない。そのために求められるのはデータからは学習することだ。
データから学習するためには、データの入手方法を考えることも重要になる。「ブランドアドボケイト(熱心なファン)が何人いるかを把握している企業がどのぐらいあるだろう」と問いかけた上で、ルーカス氏は「このデータはインプレッション数よりももっと重要である」とした。分からない場合は学ぶことが求められる。
3. Inspire(影響を与える)
全ての顧客タッチポイントがインスピレーションを与えるものでなくてはならない。デジタル・リアルを含めて様々な接点があるが、エンゲージメントのドライバーは「人」である。