青果の店といえば八百屋さんですが、月岡青果株式会社(東京・目黒)の店先に野菜、果物が並ぶことはありません。店舗には巨大な冷蔵庫が鎮座し、ここから野菜、果物などを車で配送するのが仕事です。同社の取引先は、ホテル、レストラン、飲食店です。

月岡青果が扱う野菜や果物。店舗での販売はなく、客先に車で配送する

 月岡青果は、現社長月岡剛氏の先々代の社長が1931年(昭和6年)に創業。株式会社になったのは平成20年のことです。店舗は自由が丘から大井町線沿いに伸びる遊歩道を10分ほど歩いたところにあって、青果・果物・鶏卵・豆腐味噌類・乾物・冷凍食品・漬物を商っています。大田市場、築地市場、東光食品のほか、神奈川・千葉・高知などの農家から直接仕入れています。

 月岡社長は、中学・高校と通った全寮制の学校(高知明徳義塾中高等学校)で、食への感謝の気持ちを教わりました。「目の前にある食べ物を当たり前のように食べるのでなく、農家さん、漁師さん、運送屋さん、食堂のおじさん、おばさんなど、いろいろな方のおかげで食べられることに感謝しなさい」と日々たたき込まれたそうです。

仕入れ先である高知白木果樹園の白木浩一園主(右)と月岡社長

 その教育が今の商売を支える柱の一つになっています。「家業の八百屋を継ぐ事で農家の方々との繋がりが増えました。一生懸命美味しい野菜、体に優しい野菜を作っている方々の畑に何度も伺い、対話を重ねる度に、感謝の思いを強くしています。どれだけ農家の方々が愛情をもって、野菜・果物を作っているか、国産へのこだわりを継承していく大切さを伝えることも、私の仕事の一部だと考えています」(月岡社長)。

次ページ以降はITpro Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。