デルの「Dell XCシリーズ」は、仮想サーバー環境の構築に特化した物理PCサーバー機である。特徴は、複数台のサーバー機にまたがった分散ファイルシステムを実現するOSソフトウエアによって、CPU性能とストレージ容量をスケールアウトできること。中核機能をなすOSソフトウエアは、米DELLが米NutanixからOEM(相手先ブランドによる生産)提供を受けたもの。
米Nutanixが開発/販売している仮想サーバー環境向けのアプライアンスサーバー機「Virtual Computing Platform」(VCP)と同じOSソフトウエアを搭載している。VCPの購入を検討しているユーザーから見れば、VCPとDell XCシリーズを合わせて、ハードウエアの選択肢や販売チャネルの選択肢が広がったことになる。
機能はVCPと同様である。外部接続ストレージを使わず、内蔵するローカルストレージ(SSD/HDD)を使って、複数のサーバーにまたがった分散ファイルシステムを構成する。この仕組みにより、サーバーの台数を増やすスケールアウトによって、CPU性能とストレージ容量をともに拡張できる。
仮想サーバー環境となるサーバー仮想化ソフト(ハイパーバイザー)としては、VMware ESXi 5.5またはHyper-V(Windows Server 2012 R2)を選択する。分散ファイルシステムを実現するストレージソフトは、仮想サーバーの1台にインストールしてあり、ノードにまたがったストレージプールを構成するとともに、ノードの内部にある他の仮想サーバーから見たネットワークストレージとして機能する。
アプリケーション負荷に応じて5モデルを用意
Dell XCシリーズは、第一号機種として、2ソケット2Uラックマウント型サーバー機である「PowerEdge R720xd」をベースにした「Dell XC 720XD」を用意した。VDI(仮想デスクトップ)やデータベースサーバーなどの用途に応じて、CPUや内蔵ストレージ(SSD/HDD)の構成を変えた全5モデルを用意している。
例えば、低負荷アプリケーション向けの「XC720XD-A5」は、CPUがE52620v2、SSDは200Gバイト×2、HDDは1Tバイト×1。一方、大規模データベースサーバーなどの高負荷アプリケーション向けの「XC720XD-C7」は、CPUがE52690V2、SSDは800Gバイト×4、HDDは2Tバイト×8。
用途と機能 | 仮想サーバー環境を構築するためのサーバー機。サーバーの台数を増やすスケールアウトによってCPU性能とストレージ容量を拡張できる |
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仕組み/特徴 | 内蔵するローカルストレージ(SSD/HDD)を使って、複数のサーバーにまたがった分散ファイルシステムを構成する |
利用できるサーバー仮想化ソフト | VMware ESXi 5.5またはHyper-V(Windows Server 2012 R2) |
価格(税別) | 個別見積もり |
発表日 | 2014年11月20日 |
出荷日 | 2014年11月20日 |
備考 | OSソフトウエアは米NutanixからOEM(相手先ブランドによる生産)提供を受けている |