PernixData FVP 3.0の管理画面
PernixData FVP 3.0の管理画面
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 米PernixDataの「PernixData FVP 3.0」は、VMware環境のストレージ性能をキャッシュを使って高めるソフトである。VMwareホストが内蔵するフラッシュストレージやメインメモリーを、外部ストレージのキャッシュとして利用できるようにする。VMware ESXiのカーネルモジュールとして動作し、PernixData FVPを導入した複数台のVMware ESXiホストをクラスター構成で利用することで、キャッシュを共有プール化できる。現行版では最新版のVMware vSphere 6.0に対応したほか、管理画面をHTML5化した。

 エディションは全部で5つある。(1)「FVP Enterprise」は、機能制限がない最上位エディション。ライセンス買取型で、VMwareホスト1台当たり90万円。同一サーバー内でフラッシュとメインメモリーを同時に使うことはできないが、同一クラスター内でフラッシュとメインメモリーを混在させた状態でキャッシュを共有させられる。(2)「FVP Subscription」は、Enterpriseの従量課金版。料金は、月額4万8000円。

 (3)「FVP Standard」は、基本エディション。FVP Enterpriseの機能制限版に当たる。同一クラスター内で、フラッシュとメインメモリーを混在させることはできず、どちらか一方しか使えない。また、VMware ESXiホストのCPUソケットは最大で2ソケットまでに限られる。さらに、データ保護の際に、どのホストにデータのレプリカを作成するかをグループ設定する障害ドメイン機能を利用できない。価格はライセンス買取型で、VMwareホスト1台当たり60万円。

 (4)「FVP VDI」は、VDI(デスクトップ仮想化)システム向けのライセンス。仮想デスクトップの台数に応じて課金する。価格は、デスクトップ1台当たり6000円。障害ドメイン機能を使う場合は、デスクトップ1台当たり7800円。FVP Enterpriseと比べた機能制限としては、同一クラスター内でフラッシュとメインメモリーを混在させることができない。

 (5)「FVP Essentials Plus」は、FVP Standardの3ホスト分のライセンスをバンドルした廉価版パッケージ。Standardをベースに、いくつかの機能制限を施している。具体的には、各ホストのフラッシュデバイス数を1デバイスまで、仮想サーバー数を最大100台までに限定している。また、サーバー仮想化ソフトのエディションが「vSphere Essentials Plus」に限られる。価格は、VMwareホスト3台分で90万円。

 これらとは別に、無償版の「FVP Freedomエディション」もある。無償版での主な制限事項は、以下の通り。まず、FVPクラスタは1つしか運用できない。キャッシュ媒体はメインメモリーに限り、FVPクラスタ全体でキャッシュ容量は128Gバイトまでに限られる。キャッシュの動作モードはライトスルーモードに限られ、ライトバックモードは使えない。

PernixData FVP 2.0の概要
用途と機能VMware環境のストレージ性能をキャッシュによって高速化するソフト
動作環境VMware ESXiのカーネルモジュールとして動作する。複数台のVMware ESXiホストをクラスター構成で利用することで、キャッシュを共有プール化できる
キャッシュの媒体フラッシュメモリーまたはメインメモリー
キャッシュ対象の外部ストレージSAN(iSCSI/FibreChannel)
NAS(NFSファイルサーバー)
ローカルディスク
価格(税別)■FVP Enterprise(上位版):VMwareホスト1台当たり90万円
■FVP Subscription(Enterpriseの従量課金版):月額4万8000円
■FVP Standard(基本版):VMwareホスト1台当たり60万円
■FVP VDI(VDI向け):デスクトップ1台当たり6000円
■FVP Essentials Plus(廉価版パッケージ):VMwareホスト3台分で90万円
発表日2015年10月29日
出荷日2015年10月29日
備考発表日/出荷日と価格は国内販売代理店であるネットワールドの場合