沖電気工業(OKI)の「ドローン探知システム」は、ドローンの飛行音を分析することによって、飛来する方位・仰角および距離を測定して通知するシステムである。センサーの種類に応じて、全方位を検査できる「無指向性音響センサー」と、指向性を持った「デュアルパラボラ型指向性音響センサー」の2種類を用意している。

デュアルパラボラ型指向性音響センサーの外観
デュアルパラボラ型指向性音響センサーの外観
(出所:沖電気工業)

 無指向性音響センサーは、半径最大150メートル(水平360度、仰角90度、俯角90度)の範囲を検知できる。一方、デュアルパラボラ型指向性音響センサーは、ドローンの飛行音を2本のマイクロフォンとパラボラで収集して音源位置分析を行う仕組みによって、直線(指向角90度)で300メートル先まで検知できる。

 300メートル先まで検知できる製品をラインアップする背景には、2016年4月に施行された法律で、重要施設敷地とその周辺300メートルの上空の飛行を禁止した「小型無人機等飛行禁止法」の存在がある。同製品を使うことによって、周辺300メートルの範囲内を飛ぶドローンを検知できる。

 背景雑音の除去と感度調整によって、騒音下にある環境での探知性能向上を図っている。これにより、最小構成(無指向性音響センサーは1台、デュアルパラボラ型指向性音響センサーは4台)だけで、高精度に全方位の探知ができる、としている。カメラと連携するオプションも用意しており、映像による確認ができるほか、映像録画や侵入履歴を残すといった運用もできる。

ドローン探知システムの概要
用途と機能ドローンの飛行音を分析することによって、飛来する方位・仰角および距離を測定して通知するシステム
ラインアップ無指向性音響センサーデュアルパラボラ型指向性音響センサー
検知範囲半径最大150メートル
(水平360度、仰角90度、俯角90度)
直線300メートル
(指向角90度)
価格(税別)最小構成(音響センサー1台、処理部、操作表示ソフト)で300万円から最小構成(音響センサー1台、処理部、操作表示ソフト)で600万円から
(全方位探知の場合は最小で4セットが必要)
発表日2016年11月15日(デュアルパラボラ型指向性音響センサー)
出荷日2016年11月15日(デュアルパラボラ型指向性音響センサー)