NECの「SX-Aurora TSUBASA」は、ベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ」の最新機種である。ベクトルプロセッサとメモリーを搭載したベクトル演算ユニット「ベクトルエンジン」をPCI Express接続型の拡張カードの形状として、汎用のx86サーバーと組み合わせて製品化した。
OSはLinuxが動作する。ベクトルエンジン向けに特別なコードを書く必要はなく、x86向けに開発したソースコードをそのまま利用できる。専用のコンパイラ(Fortran、C、C++)を使って再コンパイルするだけで、ベクトルエンジン上で動作するアプリケーションが得られる。コンパイルしたプログラムは、丸ごとベクトルエンジン上で実行する。
ベクトル型スーパーコンピュータの特徴は、メモリー性能が高いこと。これにより、大容量のデータを一括処理する大規模シミュレーションなどの用途に向く。SX-Aurora TSUBASAのメモリーのバンド幅は、プロセッサ当たり1.2Tバイト/秒(コア当たり150GB/秒)になる。
ベクトルエンジン1台に1個のベクトルプロセッサ(8コア)を搭載している。1コア当たりの性能は、倍精度浮動小数点演算性能が307ギガFLOPS、単精度浮動小数点演算性能が614ギガFLOPS。ベクトルプロセッサ1個(8コア)では、倍精度浮動小数点演算性能が2.45テラFLOPS。
きょう体内に搭載するベクトルエンジンの台数に応じて、1台のベクトルエンジンを搭載するタワー型のエントリーモデル「エッジモデル」(A100-1)、最大2台、最大4台、最大8台まで搭載できるラックマウント型の「オンサイトモデル」(A300-2、A300-4、A300-8)、最大64台まで搭載できる「データセンタモデル」(A500-64)を用意した。
用途と機能 | ベクトル型スーパーコンピュータ |
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ハードウエア構成 | ベクトルプロセッサとメモリーを搭載したベクトル演算ユニット「ベクトルエンジン」をPCI Express接続型の拡張カードの形状として、汎用のx86サーバーと組み合わせた |
稼働OS | Linux |
アプリケーション 開発言語 | Fortran、C、C++ |
アプリケーション 開発方法 | ベクトルエンジン向けに特別なコードを書く必要はなく、x86向けに開発したソースコードをそのまま利用できる。専用のコンパイラを使って再コンパイルするだけで、ベクトルエンジン上で動作するアプリケーションが得られる |
ベクトル型 スーパーコンピュータの 特徴 | メモリー性能が高いこと。大容量のデータを一括処理する大規模シミュレーションなどの用途に向く |
メモリーのバンド幅 | プロセッサ当たり1.2Tバイト/秒。ベクトルエンジン1台に1個のベクトルプロセッサ(8コア)を搭載している |
浮動小数点演算性能 | ベクトルエンジン1台の倍精度浮動小数点演算性能は2.45テラFLOPS |
ラインアップ | きょう体内に搭載するベクトルエンジンの台数に応じて、1台、最大2台、最大4台、最大8台、最大64台の各モデルを用意した |
最小構成価格 (8%消費税込み) | ■タワー型のエッジモデル「A100-1」は、170万円から ■ラックマウント型のオンサイトモデル「A300-2」、「A300-4」、「A300-8」は、170万円から ■ラック型のデータセンターモデル「A500-64」は、1億2000万円から |
発表日 | 2017年10月25日 |
出荷日 | ■タワー型(A100-1)は、2017年2月 ■1Uラックマウント型(A300-2、A300-4)は、2017年2月 ■4Uラックマウント型(A300-8)は、2018年度第1四半期 ■専用ラック(A500-64)は、2018年度第2四半期 |