Tintri VMstore T5000の外観
Tintri VMstore T5000の外観
[画像のクリックで拡大表示]

 ティントリジャパンの「Tintri VMstore T5000オールフラッシュシリーズ」は、サーバー仮想化環境に特化した専用のストレージ機器「Tintri VMstore」のうち、搭載ドライブをすべてSSDとしたオールフラッシュ構成のシリーズである。最大5000台の仮想サーバーを収容できる「T5080」と、最大2500台の仮想サーバーを収容できる「T5060」の2モデルで構成する。SSDとHDDを階層型で使用する既存の「T800シリーズ」(全3モデル)と比べて性能を高め、収容できる仮想サーバー台数を占有ラックユニット当たり2.8倍に増やした。

 前提となるTintri VMstoreは、仮想化環境に特化したNAS(NFS)ストレージである。仮想サーバーの仮想ハードディスクイメージを格納し、仮想サーバーのプライマリー(1次)ストレージとして利用する。特徴は、分かりにくいLUN/ボリューム単位ではなく、仮想サーバーや仮想ディスクの単位でI/O性能を管理できること。さらに、仮想環境のデータブロックへの書き込みと実際のストレージ上のデータブロックへの書き込みのずれを自動的に修正するアライメント調整やインライン重複排除などの機能を備える。

 全自動のQoS機能を備える。個々の仮想サーバーのストレージI/Oを監視し、利用状況に応じてストレージ性能を自動で割り当て直す機能である。利用状況を10分間隔で計測し続けたデータを元に、割り当てるストレージ性能を一定間隔でその都度決め直す。高いI/O性能を要求する仮想サーバーには自動的に高いI/O性能が割り当てられる仕組み。これに加えて、手動でQoSを設定する使い方も可能。Min IOPS(最低限これだけは保証するI/O性能)とMax IOPS(I/O性能の上限値)を設定できる。

 既存のT800シリーズは、NVRAM、SSD、HDDを階層型で使う。アクセス頻度が少ないデータをSSDよりも安価なHDDに退避させる仕組み。これに対してT5000シリーズは、SSDとHDDの階層をやめてオールSSD構成とすることで、アクセス性能を高めた。さらに、NVRAMの代わりにNVDIMM(DIMMソケットに装着する不揮発性メモリー)を標準で搭載する。NVRAMに比べて遅延が小さく、システム全体の性能が向上している。

Tintri VMstore T5000オールフラッシュシリーズの概要
用途と機能仮想サーバーのディスクイメージを格納する用途に特化した仮想化環境向けストレージ
ストレージの種類NASストレージ(NFSファイル共有サーバー)
主な特徴個々の仮想サーバーごとにストレージ性能(IOPS)を設定できる。IOPSは、使用状況に応じて自動設定するやり方と、マニュアルで手動設定するやり方がある
IOPSの手動設定仮想サーバーごとに、Min IOPS(最低限これだけは保証するI/O性能)と、Max IOPS(I/O性能の上限値)を設定する
利用可能なサーバー仮想化ソフトVMware vSphere
Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)
Hyper-V
モデル名T5080T5060T880T850T820
ラックマウントの高さ2U4U
仮想サーバー台数5000250035002000750
重複排除/圧縮後の論理実効容量73TB36TB100TB66TB23TB
1ノード当たりの参考価格(税別)7400万円5000万円5060万円2980万円1480万円
発表日2015年9月24日
出荷日2015年9月24日