ヤマハの「RTX810」は、遠隔拠点から本社データセンターへの接続などに向いた、VPNルーター機器のエントリーモデルである。弁当箱サイズ(幅220×奥行き160.5×高さ43.5ミリメートル)で、設置場所を選ばない。ポートは、WAN×1、LAN×4(レイヤー2スイッチ)。ポートベースVLANとタグVLANが使える。
ネットワーク管理機能をクラウド型で提供するヤマハの独自サービス「YNO(Yamaha Network Organizer)」を利用できる。個々のルーターに対して個別にログインすることなく、YNOの管理画面を介して全ルーターの設定を変更できる。
今後はゼロタッチコンフィグレーション機能を追加する。拠点にRTX830を設置する際に、現地にエンジニアが出張する必要がなくなる。ルーターの設定内容を事前にYNOに登録しておけば、郵送されてきたRTX830をネットワークにつなぐだけで、設定内容を自動的にダウンロードして反映する。
アクセス先のドメイン名(FQDN)によって経路を切り替えるように設定できる。例えば、通常のインターネットアクセスは本社のデータセンターへのVPN接続を介して行い、特定のSaaSアプリケーションについては本社へのVPN接続を介さずに拠点から直接インターネットにアクセスする、といった使い分けが可能。
パブリッククラウドへの接続設定を簡素化する機能も備える。クラウド接続用のIDとシークレットキーを登録するだけで、ネットワーク設定(IPsec VPN設定やBGP経路設定など)を自動的に生成する。記事執筆時点ではAmazon Virtual Private Cloud(VPC)への接続設定を簡素化できる。ほかのクラウドサービスを順次拡充するとしている。
用途と機能 | 遠隔拠点接続用のVPNルーター機器 |
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製品ラインアップ中の 位置付け | 遠隔拠点側に設置して本社にリモート接続する用途に適したエントリーモデル |
搭載ポート | WAN×1、LAN×4(ポートVLAN付きスイッチングハブ)。ポートはいずれも1000BASE-T |
VLAN機能 | ポートベースVLAN タグVLAN |
コンソール接続 | RJ45×1およびmini USB×1 |
VPN機能 | IPsec、PPTP、L2TP、その他 |
IPv4 ルーティングプロトコル | RIP、RIP2、OSPF、BGP4(EBGP、IBGP) |
IPv6 ルーティングプロトコル | RIPng、OSPFv3 |
冗長化機能 | VRRPその他 |
QoS機能 | 優先制御、帯域制御、その他 |
スループット | 2Gビット/秒 |
VPNスループット | 1Gビット/秒 |
VPN対地数 | 20 |
NATセッション数 | 6万5534 |
最大消費電力 | 11W |
外形寸法 | 幅220×奥行き160.5×高さ43.5ミリメートル |
重さ | 1.1キログラム |
価格(税別) | 7万5000円 |
発表日 | 2017年9月13日 |
出荷日 | 2017年10月 |