レッドハットの「Red Hat Ceph Storage 2」と「Red Hat Gluster Storage 3.1.3」は、汎用サーバーにインストールして使う、分散ストレージソフトである。これらのソフトをインストールした複数台のサーバーを束ねるスケールアウトによって、巨大なストレージを構成できる。Cephはオブジェクト/ブロックストレージであり、Glusterはファイルストレージである。
Cephの中核は、専用のライブラリを使ってアクセスする分散オブジェクトストレージである。特徴は、ファイルオブジェクトの単位でこれを出し入れするだけでなく、ファイルオブジェクトのデータの一部を書き換えるといった操作ができること。この上で、ブロックアクセスやファイルアクセスを可能にしている。さらに、付属するプロトコル変換ゲートウエイを介することで、Amazon S3やOpenStack Swiftと互換性のあるWeb API(REST API)でオブジェクトにアクセスできる。
Cephの現行版では、オブジェクトアクセスに利用するWeb API(Amazon S3互換およびOpenStack Swift互換)の互換性を高めている。具体的には、オブジェクトのバージョン管理や一括削除ができる。また、技術プレビュー版として、分散ファイルシステム「CephFS」を含めている。
一方、Glusterは、NAS(CIFS/NFS)プロトコルや独自プロトコル(FUSE)でアクセスする、分散ファイルシステムである。メタデータサーバーは存在せず、データはハッシュテーブルに基付いて複数ノードに自動的に配置される。モジュールを追加すれば、OpenStack Swift互換のWeb API(REST API)でアクセスできる。
Glusterの現行版では、ノード数の増減に合わせてノード間でデータを再配置するリバランス機能を追加している。また、Dockerコンテナを使ったPaaSクラウド基盤「Red Hat OpenShift Container Platform」と統合し、同環境での動作を保証している。
用途と機能 | 分散ストレージソフト | |
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製品名 | Red Hat Ceph Storage 2 | Red Hat Gluster Storage 3.1.3 |
製品の種類 | オブジェクト/ブロックストレージ | ファイルストレージ |
製品概要 | 中核はオブジェクトストレージだが、ブロックストレージとしてアクセスできる | 分散ファイルシステム |
Web API | Amazon S3やOpenStack Swiftと互換性のあるWeb API(REST API)でファイルオブジェクトにアクセスできる | |
価格(税別) | 容量256Tバイトで390万円から | 2ノードで195万円から |
発表日 | 2016年7月22日 | |
出荷日 | 2016年6月 | 2016年8月 |