仮想マシンのリカバリ時間を短縮するインスタントリカバリ機能の概要。バックアップストレージ上にある仮想マシンイメージを使って、仮想マシンを直接起動する。起動後にストレージ間で仮想マシンイメージを移動する
仮想マシンのリカバリ時間を短縮するインスタントリカバリ機能の概要。バックアップストレージ上にある仮想マシンイメージを使って、仮想マシンを直接起動する。起動後にストレージ間で仮想マシンイメージを移動する
(出所:ベリタステクノロジーズ)
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 ベリタステクノロジーズの「Backup Exec 15」は、中小企業向けのデータバックアップソフトである。業務サーバーなどのデータを、ネットワークを介して、あらかじめ設定したスケジュールに則ってバックアップする。仮想サーバー(VMware、Hyper-V)のバックアップも可能で、物理サーバー環境のシステムイメージを仮想サーバー環境に復元することもできる。

 最新の機能強化パッチ「Feature Pack 5」での強化点の1つは、仮想マシンのリカバリ時間を短縮するインスタントリカバリ機能である。従来は、まずバックアップストレージから仮想環境のストレージへと仮想マシンイメージをリカバリしてから、仮想マシンを起動するしかなかった。このため、リカバリまでの時間がかかっていた。

 新機能では、仮想環境からバックアップストレージをNFSまたはCIFS/SMBでマウントし、バックアップストレージ上にある仮想マシンイメージを直接起動できるようにした。仮想マシンを起動させた後に、VMware vSphereのStorage vMotion機能やHyper-Vのライブマイグレーション機能を用いて、仮想マシンイメージをストレージ間で移動させる。

 Feature Pack 5における強化点の2つめは、Backup Execから直接Amazon S3にデータをバックアップするS3コネクタを改善したことである。従来、同コネクタの接続先はAmazon S3に限られていた。これを改め、S3と同じWeb APIで接続可能なS3互換ストレージにも接続できるようにした。具体的には、接続先の情報(IPアドレスや認証情報などのパラメータ)をコマンドライで自由に設定できるようにした。

Backup Exec 15 Feature Pack 5の概要
用途と機能中小企業に向いたデータバックアップソフト。専任のシステム管理者がいない中小企業でも簡単に使えることを追求している
動作概要バックアップ対象となる業務サーバーなどにエージェントソフトをインストールする。あらかじめ設定したスケジュールに則って、エージェントからサーバーへとネットワークを介してバックアップデータを転送してバックアップする。仮想サーバー(VMware、Hyper-V)のバックアップも可能で、災害復旧(DR)時は物理サーバー環境のシステムイメージを仮想サーバー環境に復元することもできる
Feature Pack 5の強化点仮想サーバーのリストア時間を短縮するインスタントリカバリ機能
Amazon S3互換ストレージへのバックアップ機能
価格(税別)サーバーソフトは、基本ライセンスが15万4200円
エージェントソフトは、Windows用が9万2200円、Linux用が6万1200円、VMwareおよびHyper-V用が23万4800円など
発表日2016年8月3日(Feature Pack 5)
出荷日2016年8月2日(Feature Pack 5)