日本ヒューレット・パッカードの「HPE Generation10」(Gen10)は、「HPE ProLiant」を中心とするPCサーバー製品群の現行版である。Gen10では、ハードウエアレベルでセキュリティを向上させている。具体的には、システム監視用チップの新版「iLO 5」を搭載したことによって、ファームウエアの改ざんを検出/復旧できるようにしている。

HPE Generation10の代表的なPCサーバー群の外観
HPE Generation10の代表的なPCサーバー群の外観
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 同社のPCサーバーの特徴の1つは、独立した専用コンピュータとしてふるまうシステム監視用チップ「iLO」(Integrated Lights-Out)を搭載していること。同チップが、PCサーバーを構成する個々のハードウエア部品の稼働状況や健康状態を監視し、監視データを専用のフラッシュメモリーに蓄積。システム障害の予兆を検知できるほか、障害原因を突き止めやすくなる。

 Gen10では、iLOの現行版にあたるiLO 5を搭載している。特徴は、iLO自身のファームウエアやサーバーのファームウエア(システムROM/UEFI BIOS)の改ざんを検証し、改ざん前のファームウエアに戻す機能を搭載していること。iLO 5のファームウエアがサーバーのファームウエアを検証し、iLO 5のハードウエアに組み込まれたロジックがiLO 5のファームウエアを検証する。

 iLO 5には、利用する機能に応じて3種類のライセンスがある。標準のライセンスでは、サーバー起動時にのみファームウエアの改ざんを検証する。改ざんされていた場合、サーバーを起動させないことでセキュリティを守る。対話型のコンソール画面から手動で改ざん前のファームウエアに戻すことにより、サーバーを起動できるようになる。

 iLO 5の最上位ライセンス「iLO Advanced Premium Security Edition」を使うと、サーバー起動時だけでなく、OS起動後もファームウエアの改ざんを検証し、これを復元できる。任意のタイミングで即時検証できるほか、スケジュールに則って検証し、自動で復元させられる。

HPE Generation10の概要
用途と機能HPE ProLiantを中心とするPCサーバー製品群の現行版
Gen10の特徴ハードウエアレベルでセキュリティを向上させている。システム監視用チップの新版「iLO 5」を搭載したことによって、ファームウエアの改ざんを検出/復旧できるようにしている
iLO 5のライセンスの差異■標準のライセンスでは、サーバー起動時にのみファームウエアの改ざんを検証する。改ざんされていた場合、サーバーを起動させないことでセキュリティを守る。対話型のコンソール画面から手動で改ざん前のファームウエアに戻すことにより、サーバーを起動できるようになる
■最上位ライセンスでは、サーバー起動時だけでなく、OS起動後もファームウエアの改ざんを検証し、これを復元できる。任意のタイミングで即時検証できるほか、スケジュールに則って検証し、自動で復元させられる
iLO5の価格(税別)iLO5の最上位ライセンス「iLO Advanced Premium Security Edition」は、1年ライセンスの場合にサーバー1台当たり7万8000円
価格(税別)■ラックマウント型の「HPE ProLiant DL360 Gen10」は、66万5000円から
■ブレードサーバーの「HPE ProLiant BL460c Gen10」は、62万5000円
■物理リソースを動的に組み替えられる「HPE Synergy 480 Gen10」は、74万7000円から
発表日2017年7月20日
出荷日2017年7月20日以降順次