シックス・アパートの「MovableType.net」は、簡単に使い始められることを重視したクラウド型のCMS(コンテンツ管理システム)である。企業のコーポレートサイトのように定期的にコンテンツを投稿して更新するタイプのWebサイトを容易に運営できる。あらかじめ各種の用途に向いたデザインテーマを用意しており、これを利用してWebサイトを短期に開設できるようにしている。
軽量版のCMSとして位置付けており、上位版の「Movable Type クラウド版」などと比べて機能を簡素化している。例えば、作業のすべては、基本的にWeb管理画面から実施する必要がある。FTPによるコンテンツのアップロードや、Web APIによる操作はできない。コンテンツの投稿に関しては、利便性を考慮して、Web画面だけでなく、メールやスマートフォン向けアプリケーションを介した投稿も可能。
直近の機能強化では、Webサイトを常時SSL化できるようにした。これまでは、そもそもSSLで接続できなかったが、これを改善した。設定画面で「HTTPS」を有効にすると、SSL接続が有効になるとともに、Webサイトを常時SSL化できる。つまり、Webサイトの全ページに対して強制的にSSLで接続させるようにできる。「http」(非SSL接続)でアクセスした場合は「https」(SSL接続)にリダイレクトする。一部のページだけhttpsで接続するといった使い方はできない。
SSL接続に必要なSSLサーバー証明書は、追加料金を支払うことなく利用できる。標準のドメイン「*.movabletype.io」を使っている場合だけでなく、独自のドメインで運用している場合でもSSL証明書の追加料金は不要。独自ドメインの場合、SSL証明書は非営利団体「ISRG」が提供する無料のSSL証明書発行サービス「Let's Encrypt」が発行したドメイン証明書を使う。さらに、証明書の更新作業もシックス・アパートが行う。このため、利用者は料金負担や運用負担を必要とせずにWebサイトをSSL化できる。
用途と機能 | 簡単に使えることを重視したクラウド型のCMS(コンテンツ管理システム) | |
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製品の位置付け | 既存の「Movable Type クラウド版」よりも機能を簡素化して低価格化を図った軽量版に相当。機能の豊富さよりも簡単に素早く使い始められることを重視した | |
上位版と比べた主な制約 | FTPによるコンテンツのアップロードや、Web APIによる操作ができない プラグインによる機能の追加ができない | |
直近の機能強化 | 追加料金を支払うことなく、Webサイトを常時SSL化できるようにした。標準のドメイン「*.movabletype.io」を使っている場合だけでなく、独自のドメインで運用している場合でもSSL証明書の追加料金は不要 | |
独自ドメイン使用時のSSLサーバー証明書 | 無料のSSL証明書発行サービス「Let's Encrypt」が発行 | |
プラン | ライト | スタンダード |
開設可能なブログ数 | 5個 | 10個 |
ユーザー数 | 5人 | 10人 |
容量 | 5Gバイト | 10Gバイト |
価格(税別) | 月額2500円 (または年額2万5000円) | 月額4500円 (または年額4万5000円) |
支払い方法 | クレジットカード払い、またはクレジットカード払い | |
発表日 | 2016年6月23日 | |
提供開始日 | 2016年6月23日(MovableType.netの常時SSL化) 2015年2月(MovableType.netの開始) |