スキャリティ・ジャパンの「Scality RING7」は、ソフトウエアで実現したスケールアウト型のオブジェクトストレージである。分散KVS(Key-Value Store)型のソフトであり、ハッシュリング方式でデータを分散格納する。サーバー台数を増やすだけでストレージ容量を拡張できる。データのコピーを複数ノードに同時に保存することによって可用性も確保している。

 業務サーバーやバックアップソフトなどからは、オブジェクトストレージ(HTTP)またはファイルサーバー(CIFS/NFS)としてアクセスする。Amazon S3互換APIでオブジェクトにアクセスするための「S3コネクタ」も用意している。ファイルとして格納したデータをオブジェクトとして読み出すなど、オブジェクトとファイルで相互にデータを共有できる。

 現行版では、データの安全性を強化している。例えば、オブジェクトアクセスとファイルアクセスの双方で、オブジェクト/ファイルのバージョン管理を可能にした。データを更新した際に、更新前のオブジェクト/ファイルと更新後のオブジェクト/ファイルをともに保管する。DRを目的としたサイト間での非同期レプリケーション機能も追加した。

 Amazon S3コネクタを介したオブジェクトアクセスの際には、S3のバケットにオブジェクトを格納した際のScality RINGストレージのロケーションを指定できるようにした。例えば、ドイツのユーザーはドイツ国内のScality RINGにデータを維持し、他国にあるScality RINGにはデータが書かれないようにできる。

 現行版に合わせて提供を開始した関連ソフトとして、Amazon S3 APIを介してマルチクラウドにアクセスできるOSSのゲートウエイソフト「Zenko」がある。Amazon S3だけでなく、Azure Blob Storageや各種クラウドストレージにS3のインタフェースでアクセスしてデータをやり取りできる。

Scality RING7の概要
用途と機能ソフトウエアで実現したスケールアウト型のオブジェクトストレージ
SDSのタイプ分散KVS(Key-Value Store)型。SDSをインストールした汎用PCサーバーでクラスターを組み、ハッシュリング方式でデータを分散配置する。データを複数ノードにコピーして保存することで可用性を確保している
インタフェースオブジェクトストレージ(HTTP)またはファイルサーバー(CIFS/NFS)としてアクセスする。Amazon S3互換APIでオブジェクトにアクセスするための「S3コネクタ」も用意している
ファイルとして格納したデータをオブジェクトとして読み出すなど、オブジェクトとファイルで相互にデータを共有できる
現行版での主な強化点バージョン管理機能(オブジェクトアクセスおよびファイルアクセス)
DR(災害時復旧)を目的とした非同期レプリケーション(オブジェクトアクセスおよびファイルアクセス)
など
価格非公開
発表日2017年7月13日
出荷日2017年7月13日