シュナイダーエレクトリックのグループ会社、デジタルの「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」(以下、シュナイダーARアドバイザー)は、AR(拡張現実)技術を用いて生産現場での保守作業を支援するシステム製品である。主な狙いは、保守作業の効率化と人的ミスの削減である。
カメラで写した現実の映像の上に、あらかじめ用意しておいた映像や情報などのコンテンツを重ね合わせて表示するARの手法を採用した。ARデバイスとしてタブレット端末を使う。タブレットの背面カメラで工場設備を映すことによって、工場設備のイメージやARマーカーを認識し、これらにヒモ付けて登録しておいた操作マニュアルなどのコンテンツを表示する。
具体的には、工場設備の保守作業において、操作するべき箇所を示したり、操作マニュアルを用意している部位にアイコンを付けて目立たせたり、扉を開けることなく電気キャビネットの内部を確認したり、機器から収集したデータをもとに、保守すべき箇所を表示したりできる。
ソフトウエアを個別に作りこむことなくシステムを導入できるとしている。ソフトウエアは、タブレット上で動作するARアプリケーションと、工場内の各種機器のデータを収集して活用するHMI(Human Machine Interface)機器の上で動作するARサーバーソフトで構成する。ARコンテンツを登録することによって利用を始められる。最短1カ月で導入できるとしている。別途要望に応じて、機能を作りこむことやカスタマイズすることも可能である。
EcoStruxure Augmented Operator Advisorの概要
用途と機能 | AR(拡張現実)技術を用いて生産現場での保守作業を支援するシステム製品 |
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標準機能 | 保守対象機器のイメージとARコンテンツを登録することによって、イメージやARマーカーを認識した際にコンテンツを表示できる |
具体的な用途 | 工場設備の保守作業において操作するべき箇所を示す 操作マニュアルを用意している部位にアイコンを付けて目立たせる 扉を開けることなく電気キャビネットの内部を確認できるようにする 機器から収集したデータをもとに、保守すべき箇所を表示する など |
カスタマイズ性 | 要望に応じて機能を作りこんで提供できる。ユーザーやSIベンダーのためのカスタマイズツールも提供予定 |
システム構成 | ARアプリケーションを動作させるタブレットと、ARサーバーソフトを動作させるHMI(Human Machine Interface)機器が必要 |
タブレット環境 | iPad(iOSアプリケーション)。後日、Android版とWindows版も提供する |
価格 | ARアプリケーション(タブレット上で動作)とARサーバーソフト(HMI機器上で動作)がHMI機器を含んで200万円から |
発表日 | 2017年7月4日 |
出荷日 | 2017年8月末 |