リバーベッドテクノロジーの「SteelHead CX」は、遅延時間が大きな遠隔拠点間のアプリケーション通信を高速化する、WAN高速化装置である。拠点間にネットワーク対向型で設置することで、ファイルやデータの転送時間を削減したり、アプリケーションの体感レスポンスを高めたりできる。アクセス透過型で動作し、主にエッジルーターの背後にインラインで配置する。
WANで接続した遠隔拠点を構内LAN並みの体感性能で使えるようにするのが狙い。ファイル共有プロトコル(SMB/NFS)の高速化だけでなく、TCP通信全般の高速化、データキャッシュによる高速化、Exchange ServerやSQL Serverなどアプリケーション特性に応じたラウンドトリップの抑制、など、各種のWAN高速化手法を組み合わせている。
拠点と拠点を結ぶ経路(エッジルーターおよびアクセス回線)をポリシーに基づいて切り替えることもできる。これにより、利用しているアプリケーションの種類に応じて拠点間の回線を変える運用ができる。業務の重要な通信にはIP-VPN(MPLS網)を使い、SNSなどの通信にはインターネットVPNを使う、といった使い分けができる。
直近では、1台のアプライアンス機器でWAN高速化機能とSD-WANのゲートウエイ機能を兼ね備えた「SteelHead SD」も用意している。SteelHead CXのソフトウエアをアップデートすることによって上位機種のSteelHead SDにできる。これにより、拠点のネットワーク設定をセンター側の管理コンソールから容易に変更できるようになる。
ハードウエアアプライアンス版のほかに、仮想アプライアンス版「SteelHead CX for Virtual」も用意している。必要な最大帯域に応じてモデルが異なる。買取型と月額課金型から選べる。各種パブリッククラウドで動作する「SteelHead CX for Amazon Web Services Cloud」「SteelHead CX for VMware ESX Cloud」「SteelHead CX for Microsoft Azure Cloud」も提供している。
仮想アプライアンス版のSteelHeadをアカマイのCDN(コンテンツ配信ネットワーク)の上に設置したサービス「SteelHead SaaS」もある。これを使えば、SteelHeadを設置した拠点からOffice365やSalesforce.com、Google Appsといったクラウドアプリケーションへのアクセスを高速化できる。
また、PCからのリモートアクセスを高速化するためのソフト「SteelHead Mobile」もある。ネットワーク対向型で動作する2台のアプライアンスの代わりに、片方をPC用ソフトウエアにできる。
用途と機能 | WAN高速化装置。遅延時間が大きな遠隔拠点間のアプリケーション通信を高速化する |
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アーキテクチャ | 拠点間にネットワーク対向型で設置することで、ファイルやデータの転送時間を削減したり、アプリケーションの体感レスポンスを高めたりできる。アクセス透過型で動作し、主にエッジルーターの背後にインラインで配置する |
提供形態 | ハードウエアアプライアンスおよび仮想アプライアンス |
WAN高速化の仕組み | ファイル共有プロトコル(SMB/NFS)の高速化だけでなく、TCP通信全般の高速化、データキャッシュによる高速化、Exchange ServerやSQL Serverなどアプリケーション特性に応じたラウンドトリップの抑制など、各種のWAN高速化手法を組み合わせている |
直近の強化点 | 1台のアプライアンス機器でWAN高速化機能とSD-WANのゲートウエイ機能を兼ね備えた「SteelHead SD」を用意している |
ハードウエアアプライアンスの機種構成と、最適化後のWAN帯域(機種内のモデル構成によって異なる) | ■CX255(2Mビット/秒、6Mビット/秒) ■CX570(10Mビット/秒) ■CX770(20Mビット/秒、30Mビット/秒) ■CX3070(50Mビット/秒、100Mビット/秒) ■CX5070(200Mビット/秒、400Mビット/秒) ■CX7070(622Mビット/秒、1Gビット/秒、2Gビット/秒) |
仮想アプライアンスのうち、月額サブスクリプション版の機種構成と、最適化後のWAN帯域 | ■VCX-10(2Mビット/秒) ■VCX-20(5Mビット/秒) ■VCX-30(10Mビット/秒) ■VCX-40(20Mビット/秒) ■VCX-50(50Mビット/秒) ■VCX-60(100Mビット/秒) ■VCX-70(200Mビット/秒) ■VCX-80(500Mビット/秒) ■VCX-90(1000Mビット/秒) |
価格 | 最エントリモデル「Steelhead CX 255」で32万円程度から(2013年8月時点) |
発表日 | 2013年8月19日(Steelhead CX 255) 2017年3月1日(SteelHead SD) |
出荷日 | 2013年8月19日(Steelhead CX 255) 2017年3月1日(SteelHead SD) |