NTTPCコミュニケーションズの「Master'sONE CloudWAN」は、拠点のエッジルーターの設定をクラウド上の制御ソフトから遠隔で変更できるネットワークサービスである。クラウド上で論理的なネットワークを設計するだけで、本社や拠点間をつないだネットワークを構築できる。制御ソフトは、Webブラウザー画面またはWeb APIを介して操作する。エッジルーターは初期設定も不要で、拠点に郵送してWAN回線につなぐだけで使い始められる。
企業規模や用途に応じて2つのプランを用意している。標準プランの「Vプラン」は、米Viptelaのエッジルーター機器を使う。ルーター機器は買い取りまたはレンタルから選ぶ。一方、廉価プラン「Nプラン」は、中堅・中小企業や多拠点展開に適した低価格版のプランで、x86ベースのボックス型の機器にソフトウエア型のルーターを組み合わせたエッジルーター機器を使う。初期費用がかからず、月額費用にルーター機器のレンタル費用が含まれる。
クラウド型ネットワークサービスを提供する背景には、設置時にネットワーク回線をつなぐだけで設定が完了するゼロタッチプロビジョニングの需要や、設置済みのルーターに対するネットワーク設定の変更需要がある。さらに、企業で利用しているアプリケーションを可視化し、アプリケーション単位で帯域を制御するといった需要がある。
ネットワーク構成を変更するケースの例として、それまで本社のデータセンターで動作させていたアプリケーションをクラウド事業者のデータセンターに移動させるケースや、新たにOffice 365などのSaaS型アプリケーションの利用を開始する、といったケースがある。
あるアプリケーションを利用する際のアクセス先が、本社のデータセンターからクラウド事業者のデータセンターに変更になった場合、これまで通り本社のネットワークを経由してクラウド事業者にアクセスするのではなく、拠点から直接クラウド事業者にアクセスした方が効率がよい。Office 365も、本社を介さずに拠点から直接インターネットにアクセスした方が効率がよい。
用途と機能 | 拠点のエッジルーターの設定をクラウド上の制御ソフトから遠隔で変更できるネットワークサービス | |
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特徴 | ■クラウド上で論理的なネットワークを設計するだけで、本社や拠点間をつないだネットワークを構築できる ■エッジルーターの初期設定は不要で、拠点に郵送してWAN回線につなぐだけで使い始められる | |
制御ソフトの操作方法 | Webブラウザー画面またはWeb APIを介して操作する | |
プラン | Nプラン | Vプラン |
対象ユーザーと位置付け | 中小企業向けの廉価プラン | 一般企業向けの高機能プラン |
使用するネットワーク機器 | NFV(ソフトウエアで実現した仮想アプライアンス型のネットワーク機器)を搭載したx86ベースのエッジルーター機器 | 米Viptelaのエッジルーター機器 |
初期費用(税別) | なし | 100拠点以下の場合は10万円 101拠点以上の場合は30万円 |
拠点当たりの月額費用(税別) | 1万7000円 (エッジルーターのレンタル料金を含む) | 標準機能を提供するBasicライセンスで帯域10Mビット/秒の場合に、1年契約で月額8400円など |
エッジルーターの価格(税別) | なし(月額料金にエッジルーターのレンタル料金が含まれる) | 最も安価な、帯域100Mビット/秒のモデルでLTEのバックアップ回線を持たないタイプの場合、買い取り価格は7万9000円、レンタル価格は1年契約で月額1万3900円 |
発表日 | 2017年5月30日(Nプラン) | |
提供開始日 | 2017年6月6日(Nプラン) |