A10ネットワークスの「Lightning ADC」は、パブリッククラウド上で稼働する仮想サーバー(インスタンス)型の負荷分散装置である。主要なパブリッククラウドサービスやVMwareの仮想環境上で稼働する。特徴は、クラウド型で提供する専用の管理コンソール「Harmony Controller」を使って、Lightning ADCを集中管理できること。負荷分散装置のインスタンスを動的に配備したり、管理・可視化したりできる。

クラウド環境で動作する仮想サーバー型の負荷分散装置「Lightning ADC」と、Lightning ADCを集中管理するSaaS型の管理コンソール「Harmony Controller」で構成する
クラウド環境で動作する仮想サーバー型の負荷分散装置「Lightning ADC」と、Lightning ADCを集中管理するSaaS型の管理コンソール「Harmony Controller」で構成する
(出所:A10ネットワークス)
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 管理コンソールのHarmony Controllerでできることは、大きく3つある。まず、あらかじめ各社のパブリッククラウドの認証情報を登録しておくことによって、管理者に代わってパブリッククラウドサービスを操作し、パブリッククラウド上にLightning ADCをプロビジョニング(配備)できる。AWS、Azure、Google Cloud Platform、VMware環境などに配備できる。

 2つめとして、Lightning ADCの設定変更ができる。管理画面上で設定した内容を動的に反映できる。3つめとして、Lightning ADCの稼働ログを1分間隔で収集し、これを用いてトラフィックを分析できる。アプリケーション単位で可視化する、といったことができる。

 今後は、Harmony Controllerの管理画面からLightning ADC以外の既存製品も管理できるようにする予定。Thunder ADCのトラフィック監視を皮切りに、管理できる製品や管理機能を増やす。Harmony Controllerの提供形態も増やし、SaaS型だけでなくオンプレミスで動作するソフトウエア型のHarmony Controllerも用意する予定。

Lightning ADCの概要
用途と機能クラウド環境での運用負荷を下げた仮想マシン型の負荷分散装置
特徴クラウド上で提供する専用の管理画面から、各社のパブリッククラウドサービスやVMwareの仮想環境に、負荷分散装置のインスタンスを動的に配備し、これを管理・可視化できる
動作環境■仮想マシン型の負荷分散装置であるLightning ADCは、主要なIaaS型パブリッククラウドサービス(AWS、Azure、Google Cloud Platform)やVMwareの仮想環境上で稼働する
■Lightning ADCの管理画面であるHarmony Controllerは、SaaS型で動作するクラウドサービスとして提供する
負荷分散装置としての機能■負荷分散機能(オートスケール可能)
■DDoS攻撃対策機能
■WAF機能
管理画面のHarmony Controllerの機能■IaaS環境へのLightning ADCのプロビジョニング
■Lightning ADCの設定
■Lightning ADCのログデータを収集してのトラフィック分析
価格オープン
■仮想マシン型の負荷分散装置であるLightning ADCは、1年間または3年間の契約で、負荷分散の対象となるFQDN単位で、サブスクリプション型で課金する。ライセンスは、WAF機能なしの「Basic」と、WAF機能ありの「Pro」に分かれる
Lightning ADCの管理画面であるHarmony Controllerは、無償で利用できる
発表日2017年5月29日
提供開始日2017年5月29日