NECの「Express5800/T110i-S」は、厚さ98ミリメートルのスリムタワーきょう体にUPS(無停電電源装置)を内蔵した1ソケット型のPCサーバー機である。中小企業のオフィスや机の下などの限られたスペースでも、停電に強いPCサーバーを運用できる。環境温度は摂氏5~48度、環境湿度は10~85%。

内蔵バッテリーモジュールの動作・設定画面イメージ
内蔵バッテリーモジュールの動作・設定画面イメージ
(出所:NEC)
[画像のクリックで拡大表示]

 内蔵するUPSは、100ワットの出力で7分半の電源供給が可能。これにより、瞬電(ごく短い時間の停電)時にサーバーを継続して動作させられるだけでなく、停電時に安全にシャットダウンすることができる。UPSの充電バッテリには長寿命のニッケル水素電池を採用し、5年間交換を不要とした。

 限られた電力供給時間の中で、OSのシャットダウン時間を短縮して安全に停止するため、OSの起動/シャットダウン時間を高速化するM.2規格のSATA SSDをオプションで利用できる。OSをM.2 SATA SSDに格納することで、ハードディスクと比べてOS起動/シャットダウン時間を最大で3分の1に短縮可能としている。

 背景には、店舗や学校、医療、製造などの現場業務で使われる小型のPCサーバーは、非常用の電源設備としてUPSが用意されていないことが多いという状況がある。瞬電や停電によって、作業中のデータの消失や、ハードウエアの故障につながることがあった。

Express5800/T110i-Sの概要
用途と機能省スペースのスリムタワー型PCサーバーでありながらUPSを内蔵したモデル
UPSの仕様100ワットの出力で7分半の電源供給が可能
オプションOSの起動/シャットダウン時間を高速化するM.2規格のSATA SSDを利用できる。限られた電力供給時間の中でOSのシャットダウン時間を短縮し、安全に停止できる
CPUPentium G4560(最小構成)~Xeon E3-1270v6(最大構成)×1
メモリー標準では搭載せず
■最大64Gバイト(16Gバイト×4)
ストレージ標準では搭載せず
■3.5型ケージ選択時は、SATA 20Tバイト(10Tバイト×2)
■2.5型ケージ選択時は、SATA 12Tバイト(2Tバイト×6)、SAS 10.8Tバイト(1.8Tバイト×6)、SATA SSD 9.6Tバイト(1.6Tバイト×6)、SAS SSD 2.4Tバイト(400Gバイト×6)
■3.5型/2.5型ケージ選択時は、SATA 24Tバイト(10Tバイト×2+2Tバイト×2)、SATA+SAS 23.6Tバイト(SATA 10Tバイト×2+SAS 1.8Tバイト×2)
価格(税別)■UPS非内蔵モデルは18万7000円から
■UPS内蔵モデルは22万6000円から
発表日2017年4月19日
出荷日2017年4月26日