富士通の「技術伝承支援ソリューション」は、施設や設備の運転・保守業務においてベテランからビギナーへの技術伝承を支援するサービスである。動画マニュアルを作成する「基本工程」と、ビギナーの作業動画を動画マニュアルと比較して分析する「オプション工程」で構成する。
8日間をかけて動画マニュアルを作成する。ヘッドマウントディスプレイを使ってベテランが実際に見ている視界に近い動画を撮影するとともに、ビデオカメラによる作業全体の動画を撮影する。このように、二つのアングルからベテランの技術を記録する。記録した動画を元に、マニュアルに残すべき作業などを関係者間で議論し、議論の結果をもとに富士通が動画マニュアルを作成する。
動画マニュアルは、関係者が視聴・確認できるように、期間中クラウド環境に保管する。必要に応じて、ビギナーの作業を撮影した動画と動画マニュアルを比較分析するオプションを利用できる。ビギナーは、作業時の具体的な違いを把握することで技術の向上が期待できる。
サービス提供の背景には、施設や設備の運転・保守業務を行う企業では、ベテランの定年などにより、作業者に対する技術伝承が必要とされているという状況がある。これまでも主にOJT(オンザジョブトレーニング)で技術を伝承してきたが、ベテランが無意識に実践している行動が伝承されない、作業者の育成にコストと時間を要する、といった課題があった。
富士通は、今回の商用サービス化の前に、メタウォーターおよびメタウォーターサービスと共同で上下水道設備の業務における技術伝承の実証実験を行っている。この結果、4カ月の業務経験のある作業者が0.5カ月の訓練期間で約30%技術が向上したという。この共同実証をもとに確立したプロセスを、今回商用サービスとして体系化した形である。
用途と機能 | 施設や設備の運転・保守業務において、ベテランからビギナーへの技術伝承を支援するサービス |
---|---|
サービス構成 | 動画マニュアルを作成する「基本工程」と、ビギナーの作業動画を動画マニュアルと比較して分析する「オプション工程」で構成 |
動画マニュアルの作成方法 | ヘッドマウントディスプレイを使ってベテランが実際に見ている視界に近い動画を撮影するとともに、ビデオカメラによる作業全体の動画を撮影する。記録した動画を元に、マニュアルに残すべき作業などを関係者間で議論し、議論の結果をもとに富士通が動画マニュアルを作成する |
動画マニュアルの作成日数 | 8日間 |
価格(税別) | 基本工程が90万円から オプション工程が10万円から |
発表日 | 2016年4月27日 |
出荷日 | 2016年4月27日 |