ネットワンシステムズの「CASBサービス for Sanctioned IT」はエンドユーザーにクラウドを利用させつつ、情報漏洩を防止するセキュリティサービスである。「CASB」はCloud Access Security Brokerの略で「キャスビー」と読む。米ガートナーが2012年に提唱したもので、クラウド利用者と複数のクラウドサービスとの間に単一コントロールポイントを設けてクラウド利用を把握・制御・保護する。情報漏洩のリスクを低減することで結果としてクラウドサービスの活用を推進できる。

CASBサービス for Sanctioned ITの概要
CASBサービス for Sanctioned ITの概要
(出所:ネットワンシステムズ)
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 企業がエンドユーザーに対して利用することを許可しているクラウドサービスにおいて、エンドユーザーの不審な行動を検知する。この上でさらに、企業ごとのセキュリティポリシーに応じて、機密データを削除したり、共有できなくしたり、暗号化したりする。

 機能は大きく、(1)可視化、(2)脅威防御、(3)コンプライアンス、(4)データセキュリティ、で構成する。

 (1)の可視化では、エンドユーザーと管理者の行動履歴を詳細に収集して可視化する。データを外部で共有していることや、どこからログインしているのかなども把握できる。

 (2)の脅威防御では、エンドユーザーと管理者の行動を分析して、情報漏洩につながる不審な行動を検知する。データを大量にダウンロードしていたり、外部と共有していたり、ログイン試行と失敗を繰り返していたり、ユーザーを大量に登録・削除してたり、といった行動を検知する。

 (3)のコンプライアンスでは、機密情報を含むデータを検知し、クラウド上への保管を防ぐ。アップロードを防いだり、アップロード済みのデータを隔離・削除したりする。データを外部と共有する行為については、権限の変更や共有リンクの切断などができる。

 (4)のデータセキュリティでは、機密情報を含むデータをアップロードする際に、これを自動的に暗号化する。さらに、データに対するアクセス権限を、IPアドレスやクライアント証明書、モバイルデバイス管理(MDM)の有無などによって制御する。

 サービス開始時に対象とするクラウドサービスは、Office 365だけである。順次、Amazon Web Services(AWS)、Google Drive、Box、Dropbox、Salesforce.com、ServiceNow、Slackなどを保護できるようにする。なお、サービスの基盤として、米McAfeeのCASBサービス「McAfee Skyhigh Security Cloud」を使う。

CASBサービス for Sanctioned ITの概要
用途と機能エンドユーザーにクラウドサービスを利用させつつ、クラウド経由の情報漏洩を防止するセキュリティサービス
狙い情報漏洩のリスクを低減することによって、結果としてクラウドサービスの活用を推進する
情報漏洩の防止方法エンドユーザーの不審な行動を検知する。この上でさらに、企業ごとのセキュリティポリシーに応じて、機密データを削除したり、共有できなくしたり、暗号化したりする
セキュリティ機能■可視化(エンドユーザーと管理者の行動履歴を収集して可視化する。データを外部で共有していることや、どこからログインしているのかなども把握できる)
■脅威防御(エンドユーザーと管理者の行動を分析して、情報漏洩につながる不審な行動を検知する)
■コンプライアンス(機密情報を含むデータを検知し、クラウド上への保管を防ぐ。アップロードを防いだり、アップロード済みのデータを隔離・削除したりする)
■データセキュリティ(機密情報を含むデータをアップロードする際に、これを自動的に暗号化する。さらに、データに対するアクセス権限を制御する)
対象のクラウドサービスOffice 365(サービス開始当初)。順次、Amazon Web Services(AWS)、Google Drive、Box、Dropbox、Salesforce.com、ServiceNow、Slackなどを対象に加える
サービス基盤米McAfeeのCASBサービス「McAfee Skyhigh Security Cloud」
価格(税別)1ユーザーあたり年額1080円から
発表日2018年4月6日
提供開始日2018年4月6日