さくらインターネットの「さくらの専用サーバ 高火力シリーズ」は、GPU(Graphics Processing Unit)を搭載した物理サーバー機の利用環境を提供するIaaS型のクラウドサービスである。物理サーバー機にGPUカードを搭載してその利用環境を提供する。機械学習や大規模データ処理技術など、大量の計算資源を必要とするアプリケーションに向く。

さくらの専用サーバ 高火力シリーズの仕様と時間課金の料金
さくらの専用サーバ 高火力シリーズの仕様と時間課金の料金
(出所:さくらインターネット)
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 搭載するGPUに応じて、全4モデルを用意した。GPUとして「NVIDIA TITAN X」を4枚搭載した下位モデルの「Quad GPU Maxwellモデル」および「Quad GPU Pascalモデル」は、コスト当たりの性能に優れる。GPUとして「NVIDIA Tesla」を1枚搭載した上位モデル「Tesla P40モデル」および「Tesla P100モデル」は、メモリーの帯域幅や信頼性に優れる。

 最上位のTesla P100モデルは、倍精度の浮動小数点演算性能が約4.7テラFLOPSと高く、汎用のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)用途に向く。その他の3つのモデルは倍精度の浮動小数点演算性能を抑えており、ディープラーニングのように精度を要求しない用途に向く。

 時間課金と月額課金のどちらでも利用できる。時間課金は、初期費用が必要なく、最下位モデルであるQuad GPU Maxwellモデルの場合に1時間当たり267円(税別)。一方、月額課金の場合は初期費用が必要で、最低利用期間は3カ月。また、月額課金の場合は最下位モデルであるQuad GPU Maxwellモデルは利用できず、その他の3モデルに限られる。

さくらの専用サーバ 高火力シリーズの概要
用途と機能大量の計算資源を必要とするアプリケーションに向けて、GPU(Graphics Processing Unit)を搭載した物理サーバー機を調達してクラウド上で利用できるようにしたサービス
提供モデルQuad GPU MaxwellモデルQuad GPU PascalモデルTesla P40モデルTesla P100モデル
搭載するGPUNVIDIA TITAN X(Maxwell)×4NVIDIA TITAN X(Pascal)×4NVIDIA Tesla P40×1NVIDIA Tesla P100×1
単精度浮動小数点演算性能約26.4テラFLOPS(6.6×4)約44.0テラFLOPS(11.0×4)約12.0テラFLOPS約9.3テラFLOPS
倍精度浮動小数点演算性能---約4.7テラFLOPS
GPUカードの搭載メモリー48Gバイト(12Gバイト×4)48Gバイト(12Gバイト×4)24Gバイト(ECCメモリー採用)16Gバイト(ECCメモリー採用)
主な用途ディープラーニングなど汎用のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)用途
CPUXeon E5-2623 v3 4コア×2(8C/16T 3.0GHz 最大3.5GHz)
メモリー標準で128Gバイト(最大で1Tバイト)
内蔵ストレージ標準でSSD 480Gバイト×2台(ミラーリング構成)
OSUbuntu 14.04(64bit)(標準)
CentOS 7(64bit)
Ubuntu 16.04(64bit)
月額時の初期費(税別)-81万5000円87万5000円89万5000円
月額時の利用費(税別)-9万3000円9万7000円9万9000円
時間課金の利用費(税別)267円294円349円357円
発表日2017年4月17日(時間課金)
提供開始日2017年4月17日(時間課金)