路面の状態を市販機材とAIで診断可能に

　NTTフィールドテクノの「道路路面診断ソリューション」は、道路の路面状態を、高価な機材や専用車両を使うことなく診断できるシステム製品である。AI（人工知能）を活用し、道路路面性状に関する「データ収集」「データ解析・診断」「解析・診断結果の視える化」をワンストップで提供する。

道路路面診断ソリューションの概要

（出所：NTT西日本、NTTフィールドテクノ）

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　「データ収集」では、市販のビデオカメラとスマートフォンを一般車両に取り付けて走行することによって、路面の性状を解析・診断するためのデータを収集する。専用機材を用いずに道路点検を効率化できるため、路面性状診断のコストを抑えられる。

　「データ解析・診断」では、収集したデータをフィルタリング技術やAIを活用して解析し、路面点検における主要な指標である「平たん性（乗り心地IRI）」「ひび割れ」「わだち掘れ」に準拠した値を算出する。これまで点検員が目視や手作業によって実施していた路面の点検作業をAIを用いて自動化することで、点検員ごとの判断のばらつきが減る。

　「解析・診断結果の視える化」では、Web地図上に解析・診断結果をマッピングする。地図上で可視化できるため、損傷状況の把握や、異常箇所の特定が容易になる。Web地図上に表示したアイコンをクリックすると、路面画像が表示され、ひび割れなどの状況を確認できる。

　同ソリューションを提供する背景には、高度成長期に集中的に整備された舗装道路が、建設後40年以上を経過して老朽化している一方で、広範囲に及ぶ道路の点検と診断にかかるコストや労力が大きな課題となっている状況がある。