組み込み用Windows 10を搭載した産業用PCの廉価モデル

　NECの「FC-PMシリーズ」は、工場などの過酷な環境で使うことを想定して耐久性や可用性を高めたファクトリーコンピュータ「FC98-NXシリーズ」の廉価シリーズである。搭載CPUの違いに応じて、Xeon（3.3GHz）を搭載する「FC-P33W」と、Celeron（2.8GHz）を搭載する「FC-P28X」の2機種で構成する。

FC-P33Wの外観

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　ファクトリーコンピュータとは、過酷な環境条件（温度、電源ノイズ、振動など）で24時間365日連続稼働させることを想定したコンピュータである。製造業の工場やビルの監視制御システムなどの分野で使われている。信頼性を高めるため、本体の異常を検知してシステム障害を未然に防止するRAS（Reliability、Availability、Serviceability）機能を備えるほか、部品の長期供給や長期保守を保証する。

　FC-PMシリーズの2機種は、ファクトリーコンピュータ（FC98-NXシリーズ）のエントリーシリーズに当たる。小型デスクトップ型のきょう体に、CPUを1個積んでいる。メモリーは最大32Gバイトで、内蔵ストレージ容量は500Gバイト（1ドライブまたは2ドライブでミラーリング）。このほか、PCI Express/PCIスロットなどを備える。

　組み込み用途に向いたWindows OSをプリインストールして提供する。Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB（日本語 64bit）またはWindows 7 Professional for Embedded Systems日本語（SP1：64bit/32bit）を選べる。

　Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBは、通常のWindows 10 Proと異なり、機能のアップグレードがない。OS環境が変わらないため、今動作しているアプリケーションやシステムを長期にわたって安定的に動かせる。

　Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBではまた、特定のキーボードの入力を無効化する機能や、指定外のUSBデバイスの接続を制限する機能など、利用者の誤操作を防止するロックダウン機能を備える。このため、高いセキュリティが求められる産業用機器や医療機器などで有効としている。