エンカレッジ・テクノロジの「ESS AdminControl」(EAC)は、業務システムの特権IDを安全に運用するためのソフトである。特権IDが必要な作業に対して一時的にパスワードを払い出すワークフロー機能や、IDの棚卸を支援する機能、システム監査用にレポートを出力する機能、などで構成する。

データベースアクセス履歴の突合レポート画面
データベースアクセス履歴の突合レポート画面
(出所:エンカレッジ・テクノロジ)
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 ワークフロー機能は、企業によって異なる組織や職務分掌規定に合わせられる。承認ルートを独自に設定することが可能で、多段承認やグループ承認ができる。業務ごとに異なる承認ルートを設定できる。各業務に対するアクセス権を、ユーザー単位やグループ単位で設定できる。

 OSへのログイン情報やデータベースに対して作業を実施した際のログイン情報を収集し、事前の申請とログイン情報を突き合わせてレポートを出力できる。これにより、誰がどのデータベースにログインしたのか、その作業は事前に申請・承認されているか、といった内容が一覧として確認できる。

 特権IDを貸与する際に、専用の貸出ツール「Operation Authenticator」を使うと、OSアカウントに対するリモートログインについて、特権IDのパスワードを利用者に知らせることなく貸与できる。パスワードが第三者に漏れることによる成りすましのリスクが低下する。また、特権IDが共有型であっても、その利用者を特定できる。

 特権IDのパスワードを定期的に自動で変更する機能も備える。推測されにくい強固なパスワードを設定するとしている。変更スケジュールやパスワードの複雑性に関する定義は、システムごとに設定できる。パスワードの変更履歴はレポートで確認できる。

 ID棚卸ツールも提供する。各サーバーやActive Directoryに存在するアカウントの一覧や利用状況といった棚卸データを収集できるため、不要なアカウントの削除や無効化といった対処を容易に実行できる。

 ログイン履歴の自動仕訳結果やログイン試行、パスワード変更履歴、アカウント貸与履歴など、特権IDの点検・監査に利用できる監査用レポートのテンプレートを標準で用意している。これらのレポートを使って特権ID管理状況を把握したり、リスクの度合いを確認したりできる。レポートはカスタマイズも可能。

ESS AdminControlの概要
用途と機能業務システムの特権IDを安全に運用するためのソフト
主要機能特権IDが必要な作業に対して一時的にパスワードを払い出すワークフロー機能
IDの棚卸を支援する機能
システム監査用にレポートを出力する機能
など
直近の強化点事前の申請とログイン情報を突き合わせてレポートを出力する機能を強化し、OSログインに加えてデータベースログインの情報を取得できるようにした。誰がどのデータベースにログインしたのか、その作業は事前に申請・承認されているか、といった内容を一覧で確認できる
サーバーソフトの動作環境Windows Server 2008 R2/2012 R2
ワークフロー機能はSharePoint Foundation 2010またはSharePoint Server 2010が必要
クライアントソフトの動作環境Windows XP以降またはWindows Server 2003以降
ワークフロー機能はInternet Explorerを使う
価格(税別)管理対象サーバー15台分、簡易管理対象100システム分のライセンスを含んで300万円から
発表日2017年4月6日(バージョンV1.5)
出荷日2017年4月6日(バージョンV1.5)