インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJ統合運用管理サービス」は、マルチクラウド環境を一元的に運用・監視できるクラウドサービスである。機能は大きく、(1)マルチクラウドの一元管理、(2)アラート処理の自動化による運用の効率化、(3)傾向予測による予防保全、---の3つで構成する。
(1)では、単一の画面でマルチクラウドを一元的に監視できる。クラウドサービスのアカウントIDを一元的に管理し、クラウドサービスの監視アラート情報とイベント情報を一元化する。構成情報やリソース情報も、クラウドサービスから自動で取得して一元的に把握できる。
本来であればクラウドサービスごとに異なっているサポート窓口を、IIJが一元化する。ユーザー企業は、IIJを窓口として、それぞれのクラウドのサポートを受けられる。4月1日のサービス開始当初にサポート窓口の機能を提供するクラウドサービスは、IIJのクラウドサービスの他は、Microsoft Azureに限られる。
(2)では、アラート処理を自動化して運用を効率化する。大量に受信するアラート情報のうち必要な情報と不要な情報を分け、内容が重複しているアラートを排除する。こうして、重要なアラートについて管理者に通知したり、チケットシステムに起票する。
システム運用管理者にオペレーションを促す機能として、システム障害などの根本原因を特定したり、推奨される対処方法をナビゲートしたりする。あらかじめ対処内容を定義しておくことによって、システム運用管理者に成り代わってオペレーションを自動で実行することもできる。
(3)では、監視データの傾向を把握して将来起こる障害を予測する予防保全の機能を提供する。従来の監視方法は、監視データの絶対値があらかじめ定めておいたしきい値を超えたかどうかを見ていた。これに対して新サービスでは、過去のトレンドから逸脱した動きを検出する。
用途と機能 | マルチクラウド環境を一元的に運用・監視できるクラウドサービス |
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提供する機能 | ■マルチクラウドの一元管理とサポート窓口の一元化 ■アラート処理の自動化による運用の効率化 ■傾向予測による予防保全 |
(1)マルチクラウドの一元管理の概要 | クラウドサービスのアカウントIDを一元的に管理し、クラウドサービスの監視アラート情報とイベント情報を一元化する。構成情報やリソース情報も、クラウドサービスから自動で取得して一元的に把握できる。クラウドサービスごとのサポート窓口もIIJが一元化する |
(2)アラート処理の自動化による運用の効率化の概要 | 大量に受信するアラート情報のうち必要な情報と不要な情報を分け、内容が重複しているアラートを排除する。重要なアラートについて管理者に通知したり、チケットシステムに起票する。システム運用管理者にオペレーションを促す機能や、システム運用管理者に成り代わってオペレーションを自動で実行する機能も備える |
(3)傾向予測による予防保全の概要 | 過去のトレンドから逸脱した動きを検出し、監視データの傾向を把握して将来起こる障害を予測する |
価格 | 非公開 |
発表日 | 2017年3月13日 |
提供開始日 | 2017年4月1日 |