アプレッソの「Thunderbus 1.2」は、クラウドアプリケーションからオンプレミスの情報システムにアクセスできるようにするミドルウエアである。オンプレミスにあるファイルサーバーへのアクセスと、オンプレミスにあるWebサーバーへのアクセスができる。

Thunderbusの概要
Thunderbusの概要
(出典:アプレッソ)
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 クラウド側とオンプレミス側の両方に、専用のモジュールをインストールすることで、クラウドアプリケーションからのリクエストをオンプレミスへと仲介する仕組み。これら2つのモジュールは、インターネットを介してHTTPS/WebSocketでコネクションを張り、仮想的なトンネルを形成する。

クラウド側に用意したサーバーには「Thunderbus Server」と呼ぶサーバーソフトをインストールする。一方、オンプレミス側に用意したサーバーには「Thunderbus File Agent」と呼ぶエージェントソフトをインストールする。

ファイルアクセスに加えてWebアクセスも仲介可能に

 Thunderbusは、ファイルアクセスとWebアクセスを仲介する。Thunderbusの初期版ではファイルアクセス専用のソフトウエアだったが、2017年3月8日に出荷した現行版のThunderbus 1.2では、Webアクセスを仲介する「HTTP Agent」機能を搭載した。

 ファイルアクセスについては、クラウド上のThunderbus Serverが、クラウドアプリケーションから見たWebDAVファイルストレージになる。ファイルにアクセスすると、裏でオンプレミス側にあるThunderbus File Agentを介して、オンプレミス側にあるファイルサーバーにアクセスする形になる。

 Webアクセスについては、クラウド上のThunderbus Serverが、クラウドアプリケーションから見たWebサーバーになる。Web APIやWebサービスなどのリクエストを受けられる。裏でオンプレミス側にあるThunderbus File Agentを介して、オンプレミス側にあるWebサーバーにアクセスする形になる。

 Webアクセスを仲介するHTTP Agent機能の利用例として、kintoneで追加されたレコード情報をオンプレミスにある基幹システムへリアルタイムに反映させられる。HTTP Agent機能によって、kintoneからオンプレミス側のDataSpider ServistaにWebhook機能でアクセスする。DataSpider Servistaは、HTTPリクエストをトリガーに基幹システムとデータ連携する。

Thunderbus 1.2の概要
用途と機能クラウドアプリケーションからオンプレミスの情報システムにアクセスできるようにするミドルウエア。オンプレミスにあるファイルサーバーへのアクセスと、オンプレミスにあるWebサーバー(Web APIなど)へのアクセスができる
アーキテクチャークラウド側とオンプレミス側の両方にソフトウエアモジュールをインストールして使う。モジュール間はHTTPSでつなぎ、これをデータバスとして利用する
稼働OS■Thunderbus Server(サーバー):Windows Server 2008/2012/2016(いずれも64ビット)
■Thunderbus File Agent(エージェント):Windows 7/8.1、Windows Server 2008/2012/2016
価格(税別)基本構成(Thunderbus Server×1、Thunderbus File Agent×5、Thunderbusユーザー×5)で、100万円(または月額5万8000円)。オプションでThunderbus File Agentを追加する場合、5台で15万円(または月額8750円)
発表日2017年3月8日
出荷日2017年3月8日