ソフォスの「Sophos XG Firewall」は、ファイアウォール機器である。OSの現行バージョン「16.5」では、ファイアウォールを通過する際にマルウエアを検知できるように、クラウド経由でサンドボックス機能を使えるようにした。

Sophos XG Firewallシリーズの外観
Sophos XG Firewallシリーズの外観
(出所:米Sophos)
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 クラウド型サンドボックスは、不正なコードを含んでいるかも知れない実行ファイルやOffice文書などを、クラウド上の仮想環境の上で実際に開き、その振る舞いを調べる機能である。検査したいファイルをクラウドに送るだけで、不正なコードを含んでいるかどうか、マルウエアかどうかを調べられる。

 実行ファイルや文書ファイルを中継する際に、いったん中継を止めておき、クラウド型サンドボックスで安全なファイルであることを確かめる。安全が確認できたら中継する。まずはファイルのハッシュ値だけをサンドボックスに送って既知の脅威かどうかを調べ、既知の脅威でなかった場合はファイルそのものを送って振る舞いを調べる。

 もともと同社のクラウド型サンドボックス「Sophos Sandstorm」は、UTM(統合脅威管理)機器「Sophos SGシリーズ」向けに提供していた。OSのバージョンアップによって、ファイアウォール機器のSophos XGでも利用できるようにした形である。

 OSの現行バージョンではさらに、マルウエアに感染したエンドポイントとの通信を遮断する機能「Security Heartbeat」を強化している。これまではクライアントPCに限って遮断できていたが、新たにサーバー機も遮断できるようにした。この機能を「Destination Heartbeat Protection」と呼ぶ。

 エンドポイントにインストールするセキュリティーソフトからの通知によって、Sophos XGは、そのエンドポイントがマルウエアに感染したことを知る。こうして、そのエンドポイントからの通信や、そのエンドポイントへの通信を遮断する。この前提として、通信の中継経路上にSophos XGを配置する必要がある。

Sophos XG Firewallの概要
用途と機能ファイアウォール機器
現行版の強化点ファイアウォールを通過する際にマルウエアを検知できるように、クラウド経由でサンドボックス機能を使えるようにした
サンドボックスの利用方法実行ファイルや文書ファイルを中継する際に、いったん中継を止めておき、クラウド型サンドボックスで安全なファイルであることを確かめる。安全が確認できたら中継する。まずはファイルのハッシュ値だけをサンドボックスに送って既知の脅威かどうかを調べ、既知の脅威でなかった場合はファイルそのものを送って振る舞いを調べる。
主なモデルXG 85XG 750
位置付けローエンドモデルハイエンドモデル
形状卓上型2Uラックマウント
ファイアウォールスループット2Gビット/秒140Gビット/秒
ウイルス対策Webプロキシー時のスループット330Mビット/秒17Gビット/秒
参考価格(税別)6万1100円から628万2300円から
発表日2016年12月21日(OS新バージョン「16.5」)
提供開始日2016年12月21日(OS新バージョン「16.5」)