ITpro Successは2016年12月13日、東京・品川の東京コンファレンスセンター品川で、「挑戦を加速する、働き方改革 変化をチャンスに変えるITの底力」と題したセミナーを開催した。ジャパネットたかた前社長の髙田明氏、日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏、ビジネス書作家の戸田覚氏、独創的な家電製品メーカーの代表取締役である寺尾玄氏らを招き、「ビジネス環境が変化していく中で、企業の挑戦を加速させるモバイルワークの活用法とは?」をテーマに講演をしてもらった。

写真1●セミナー会場となった東京コンファレンスセンター品川
写真1●セミナー会場となった東京コンファレンスセンター品川
撮影:丸毛透(以下同)
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未来が予想できない時代に夢を実現するには、一生懸命生きるだけ

A and Live 代表取締役(ジャパネットたかた前社長) 髙田氏の講演から

 基調講演では、テレビショッピングで有名な「ジャパネットたかた」を退いた後、A and Liveの代表取締役に就任した髙田明氏が、夢の実現を目指して挑戦し続ける心の持ち方について、自らの体験を踏まえて語った。

 現在、英国のEU離脱やトランプ氏の米大統領選出が示すように、急速に社会は変化している。それらの社会情勢を踏まえて、髙田氏は「未来はまったく予想がつきにくい。未来は変えられないが、今の自分は変えられる。今やるべきことを一生懸命取り組むことが明日につながる」と述べた。

写真2●A and Live 代表取締役(ジャパネットたかた前社長) 髙田氏
写真2●A and Live 代表取締役(ジャパネットたかた前社長) 髙田氏
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 長年にわたりテレビカメラの前に立ってきた髙田氏は、商品を買ってもらうにはどうすればいいかを真剣に考え続けたという。売れないときには、「商品の魅力を伝えた『つもり』になっていなかったか。顧客の心に落ちるような訴え方ができていたか」と自分自身への問いかけを何度も繰り返した。「顧客の心にメッセージが伝わったときには、多くの注文が入った」という。

   そして一つの問題が解けたとしても、新しい問題が次々と現れてくる。「人生やビジネスではいくつものボトルネックがある。目の前の一つの原因をクリアしないことには、その先にはたどりつけない。人生はボトルネックを探し続ける旅。その一つひとつに真剣に取り組むことが今を生きることにほかならない」と髙田氏は語り、「この考えがジャパネットたかたを作ってきた」と総括した。

理念が定まっていない会社は成功しない

 髙田氏は続けて、「顧客が幸せになる商品を届ける」ことがジャパネットたかたの目指してきた理念だったといい、松尾芭蕉の「不易流行」という言葉を紹介した。「不易」とは変えてはいけないもの、「流行」とは時代ともに移り変わるものである。「不易流行は、変えてはいけない理念を守りつつ、変化に対応し、変化を作り出すこと」と髙田氏は語る。

 70歳を目前とする髙田氏は、「これまでの人生で一度も失敗したことがない」という。それは失敗という言葉の定義が違うからだ。「一生懸命やったら、次に進む力になる。不完全燃焼で終わると次への力にならないので、そのほうが失敗だ。大事なのは一生懸命にやるプロセス。それが夢の実現につながる」と講演をまとめた。

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