様々なネットサービスの登場に伴い、個人所有のID/パスワードは増加の一途である。今回は、ID/パスワードの管理状況を読者モニターに尋ねた。

 個人所有のアカウント数を聞くと、10~19種類が32.8%と最も多かった。以下、5~9種類が30.5%、30種類以上が12.4%、20~29種類が11.3%、4種類以下が7.3%といった分布になっている。ID/パスワードを忘れたことがある人は、回数不明を含め、97.7%に達した。なお、ID/パスワードを破られて被害を受けた経験がある人は3.4%だった。

Q1. ネットサービスのID/パスワードを忘れたことはありますか?
Q1. ネットサービスのID/パスワードを忘れたことはありますか?

 パスワードの使い分けは5~9種類が29.4%と最も多い。以下、3種類が18.1%、すべて別々が13.0%、4種類が11.3%、2種類が9.6%、10種類以上が8.5%と続く。パスワードの文字種は数字と英字の組み合わせが63.3%で最多だが、数字と記号、英字の組み合わせも22.6%を占めた。文字数は8文字が39.5%、9~11文字が35.0%といった結果が出た。いずれも前回調査(2013年3月)に比べ、安全性の低い回答は減少傾向にあり、全体的に対策意識の高まりがうかがえた。

Q2. いくつのパスワードを使い分けていますか?
Q2. いくつのパスワードを使い分けていますか?
Q3. パスワードの文字種に対する方針はどれですか?
Q3. パスワードの文字種に対する方針はどれですか?
Q4. パスワードの文字数に対する方針はどれですか?
Q4. パスワードの文字数に対する方針はどれですか?

 ただ、自由記入欄では「パスワード認証はもう限界」とする声が大多数を占めた。生体認証やデバイス認証などの導入を求める意見が目立った。

回答者のコメントから
 「IDごとにパスワードを変更」や「IDに対して一定の期間ごとにパスワードを変更」は理想だが、現実的に難しいものがある。現状では多段階認証や生体認証などを組み合わせてリスクの低減を図る考え方に落ち着いている。そうでなければ「本当に必要と思うサービスしか利用しない(IDやパスワードを登録しない)」という考え方でリスクを抑制するしかない。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2015年10月16~26日
回答企業数(回収率):418社中177社(42.3%)