2020年の東京オリンピック開催に向け、公衆無線LANを整備、拡充する動きが再び高まってきた。今回は、公衆無線LANサービスの利用状況を読者モニターに尋ねた。

Q1. 公衆無線LANサービスに契約していますか
Q1. 公衆無線LANサービスに契約していますか

 携帯電話事業者が提供する無料サービスを含め、契約しているとの回答は38.7%。2012年4月実施の同様調査から約15ポイント伸びた。サービスの種類(複数回答)は有料サービスが15件、携帯電話事業者の無料サービスが62件、その他の無料サービスが8件である。

 ただ、使用頻度は「ほとんど使っていない」が39.2%を占めた。「毎日」は18.9%だけで、「月数回」が23.0%、「週数回」が13.5%である。不満を尋ねると、「使える場所が分かりにくい」(62.2%)、「提供エリアが狭い」(40.5%)、「混雑していて通信速度が遅い」(37.8%)などの指摘が多く、課題を残す結果となった。

 なお、携帯電話事業者がスマートデバイス向けに提供する無線LANの自動切り替え機能の利用者は34件にとどまった。不満を尋ねると、「電池の消耗が早くなる」(31件)、「切り替え時に通信が途切れる」(27件)、「通信速度が不安定になる」(24件)、「切り替えが頻繁で煩わしい」(19件)などが挙がった。中には「使っていたが、やめた」や「使ったことがない」というユーザーも全体で16件ずつあった。

 公衆無線LANの未契約者に、契約しない理由も聞いた。「使える場所が分かりにくい」が45件(39.5%)でトップ。以下、「携帯電話回線だけで十分」と「利用シーンがない(必要性を感じない)」が32件(28.1%)ずつ、「盗聴などセキュリティ面が心配」が31件(27.2%)と続いた。自由意見欄では、「日本人でも使いづらいのだから、ましてや言葉が不安な訪日外国人は相当な不便やストレスを感じるはず」といった厳しい声もあった。

Q2. 公衆無線LANサービスに契約していない理由はどれですか
Q2. 公衆無線LANサービスに契約していない理由はどれですか
回答者のコメントから
 携帯電話事業者が提供する無線LANサービスはエリアが狭かったり、切り替えがスムーズでなかったりと短所が目立つ。携帯電話回線で混雑や速度低下が気になることもないため、ほぼ使っていない。ただ、効力を発揮する場面も多いと思うので、円滑な切り替えや電池消耗の抑制など、さらなる機能面の拡充が必要ではないか。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2014年8月21~28日
回答企業数(回収率):443社中191社(43.1%)