携帯電話市場の成熟化が進み、料金やサービス、ネットワークの同質化が顕著となってきた。今回は携帯電話大手3社の法人向けサービスを利用または把握している読者モニターに対し、通信料金や通信品質などに対するイメージ評価を尋ねた。

Q1. 携帯電話大手3社に対してどのようなイメージを持っていますか
Q1. 携帯電話大手3社に対してどのようなイメージを持っていますか
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 全体的に評価が高かったのはNTTドコモ。「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計値で比較した結果、全10項目のうち6項目でトップ評価を獲得した。ソフトバンクモバイルが4項目で続く。KDDI(au)はトップ評価こそなかったが、バランス良く評価が高い。全10項目で得た高評価の割合の平均値はNTTドコモの50.1%に続いてKDDIが44.9%となり、ソフトバンクモバイルの42.5%を上回った。

 項目ごとの評価を詳しくみよう。携帯電話大手3社が「ネットワークNo.1」を自称するが、通信エリアと通信品質はNTTドコモが80%前後のユーザーから高評価を得た。ソフトバンクモバイルとは30ポイント以上の大差。NTTドコモは端末品ぞろえや機能/サービス、サポートの評価も高いが、端末価格や通信料金が目立って低い。

 逆にソフトバンクモバイルは端末価格や通信料金が高評価で、NTTドコモに20ポイント以上の差を付けた。個人向け市場は3社ともほぼ横並びなものの、企業の場合は相対契約で大幅に割り引くケースが少なくない。ソリューション提案力も「そう思う」だけの比較ではソフトバンクモバイルがトップで、提案のうまさが全体的な高評価につながっている印象である。同社は広告/宣伝や先進性でもトップを獲得した。一方、KDDIは全10項目のうち7項目が2位評価だった。

 なお、同調査は2012年9月(2012年11月号を参照)にも実施。前回の結果は全10項目で得た高評価の割合の平均値で、NTTドコモが63.2%、KDDIが68.3%、ソフトバンクモバイルが57.9%だった。改めて今回の結果を見直すと、3社とも高評価の割合が大幅に下がった。単純に各社のレベルが低下したというよりは、「同質化で特徴が薄れた」「ユーザー企業の要求が厳しくなった」といった要因もありそうだ。