米アップルの参入や米ネットフリックスの上陸などで、定額制の音楽・映像配信サービスがにわかに注目を集めている。今回は、利用状況を読者モニターに尋ねた。

 7月に実施した調査における利用率は、定額制の音楽配信サービスが6.9%、映像配信サービスが8.8%だった。回答者の年齢分布を見ると、40~49歳が31.2%、50~59歳が30.7%と全体的に年齢層が高い影響が大きいとみられるが、どちらも1割未満にとどまった。

Q1. 定額制の音楽配信サービスを利用していますか?
Q1. 定額制の音楽配信サービスを利用していますか?
Q3. 定額制の映像配信サービスを利用していますか?
Q3. 定額制の映像配信サービスを利用していますか?

 利用しない理由(複数回答)は、音楽・映像配信サービスともに「毎月の利用料金が高い」が最も多かった。音楽配信で38.3%(57件)、映像配信で41.1%(60件)を占める。2位は両者で異なり、音楽配信では「個々の楽曲を購入するほうが良い」(33.6%、50件)、映像配信では「映像を楽しむ時間がない」(34.2%、50件)となっている。3位は両者ともに「興味がない」で、音楽配信では32.9%(49件)、映像配信では30.8%(45件)だった。

Q2. 定額制の音楽配信サービスを利用していない理由はどれですか?
Q2. 定額制の音楽配信サービスを利用していない理由はどれですか?
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Q4. 定額制の映像配信サービスを利用していない理由はどれですか?
Q4. 定額制の映像配信サービスを利用していない理由はどれですか?
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 自由記入欄を見ると、「結局は割高」という判断が多い。音楽配信サービスは様々な楽曲を楽しみたいユーザーに向くが、特定の楽曲だけを楽しみたいユーザーの場合は購入したほうが割安と感じる。映像配信サービスについても同様のことが当てはまるが、映像の場合は視聴に時間を要するため、元を取れないと感じるユーザーがいるようだ。スマートデバイスにおける利用に関して、電池の持ち時間やパケット通信量を心配する意見も目立った。

回答者のコメントから
 コンテンツの配信自体は決して悪くない。ただ、音楽についてはラジオで聞けるし、映像であればテレビで見られる。つまり、実質、無料で何かしらの映像や音楽を享受できるわけで、わざわざお金を払ってまで視聴するほどなのかどうか疑問である。特定のジャンルを訴求するのであれば、その限りではないが…。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2015年7月8~17日
回答企業数(回収率):416社中160社(38.5%)