携帯電話の夏モデルでは、高音質な通話を実現する「Voice over LTE(VoLTE)」や、複数の周波数を束ねて高速化を図る「キャリアアグリゲーション(CA)」が注目を集めている。今回は、携帯電話の買い替え意向を読者モニターに尋ねた。

Q1. VoLTEやCAの対応端末に魅力を感じますか
Q1. VoLTEやCAの対応端末に魅力を感じますか
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 VoLTEやCAへの期待は大きい。VoLTEについては読者の59.8%、CAについては同60.8%が「魅力的」と回答した。ただ、「端末の買い替え契機となる」との評価はVoLTEで7.2%、CAで6.7%にとどまった。もっとも、現状はNTTドコモだけがVoLTE対応、KDDI(au)だけがCA対応となっており、中途半端な時期にある。次の冬春モデルで両機能への対応を待つのが正解と言えるが、今年度中の買い替え意向を聞いても「両機能に対応した端末に買い替える」との回答は1.5%(3件)だけだった。

Q2. NTTドコモの新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」に魅力を感じますか
Q2. NTTドコモの新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」に魅力を感じますか

 新料金プランの評価も聞いた。調査タイミングの都合で、NTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」だけが対象だが、「魅力を感じない」が49.0%と約半数に達した。新料金プランの特徴である国内音声通話の完全定額やデータ通信量の共有については、ユーザーの利用スタイルで賛否が分かれた。「カケホーダイだけが魅力」は11.9%、「パケあえるだけが魅力」は10.8%、「両方が魅力」は19.6%といった状況である。

 このほか、端末の買い替えタイミングについては、「割引契約の更新または割賦契約の終了」が41.2%と最も多かった。「違約金の支払いを避ける」「端末購入補助の恩恵を最大限に受ける」という観点から、当然の結果と言えるが、「随時(欲しいと感じた時)」や「極力、買い替えない」もそれぞれ2割超を占めた。端末の購入方法は「一括払い」が37.6%、「割賦払い」が54.6%という結果が出ている。

 端末の買い替え時に重視する項目(5つまで選択)は、「価格」が67.0%と最も多かった。以下、「電池の持ち時間」(50.5%)、「デザイン」(39.7%)、「端末メーカー(ブランド)」(35.1%)、「性能」(34.5%)と続く。「携帯電話事業者」は20.1%の8番目。スマートフォン時代に入り、携帯電話事業者の存在感が薄れてきていることがうかがえた。

回答者のコメントから
 携帯電話事業者に対して「料金」以外で求めるものはない。他社と差異化を図るために提供している付加サービスも不要。今後、携帯電話事業者が「土管屋」となってしまうのは避けられないだろう。端末メーカーを含め、グローバルにオープンで競争していかなければジリ貧になるだけと感じる。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2014年6月19~26日
回答企業数(回収率):447社中199社(44.5%)